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富士の清澄な神の泉が湧き出す湧水池「忍野八海」

富士山の北東麓に位置する忍野八海は、富士山からの伏流水に水源を発する8つの湧水池(出口池、お釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池)から構成され、世界文化遺産「富士山」の構成資産のひとつで、日本名水百選、国の天然記念物にも選定されています。
富士信仰の霊場としても名高く、神秘的で美しい景観は人気の観光スポットとなっています。
今回はそんな「忍野八海」におでかけしてきました!

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忍野八海一の湧水量と景観を誇る「湧池」

まずは忍野八海を代表する池「湧池」を目指します。

忍野村に到着しました。
青空が澄んでいて気持ちいいです。

忍野八海の案内がありました。

阿原川沿いの道を進んで行きます。

紅葉が色付いています。

富士山の雪解け水がありました。
「30秒間名水に手を入れてみて下さい」と書いてあります。
手を入れてみると、とっても冷たかったです。

忍野八海の湧水は、富士山の高地に降った雪や雨が、古いもので20年以上の時間をかけて、地下水としてろ過されたものなのだそうです。
隣接するカフェ「かまのはた」では、富士山の伏流水で淹れた名水コーヒーを飲むことができます。

五番霊場「湧池(わくいけ)」がありました。
湧池撮影ポイントと書いた看板があります。
昭和9年に国指定天然記念物、昭和60年に名水百選、平成25年に世界遺産に選定されています。

透き通った綺麗な池にニジマスが泳いでいます。
逆円錐状をした池だそうです。

立派な木もあります。
八つの池には法華教の教えに基づき八大龍王が祀られ、石碑に和歌が刻まれているそうです。
また、八つの池は占星術により北極星と北斗七星を表しているそうです。

湧池の目の前にある「池本茶屋」では、名水で作った蕎麦を食べることができます。

「天然記念物 忍野八海」の石碑がありました。

湧池の説明板がありました。
祭神は「徳叉迦竜王(トクシャカリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産17番です。
忍野八海を代表する池で、珪藻土からなる水中洞窟からの湧水量は豊富でセキショウモを揺らしています。
昭和58年(1983年)この池の水がNASAのスペースシャトルチャレンジャー号に搭載され、宇宙で人工雪を作る実験に使用されたそうです。
木花開耶姫(このはなさくやひめ)により湧出したという伝説があるそうです。
和歌もあります。
「いまもなほ わく池水に 守神の すへ(ゑ)の世かけて かわ(は)らぬぞしる」

紅葉が池に反射して、とても綺麗です。

湧池は八海の中では一番人気があり、常に人が絶えない池でした。

忍野八海名物の焼き草餅

湧池の近くの土産物屋が立ち並ぶ通りへと行ってみました。

水車小屋がありました。

近くを阿原川が流れています。

阿原川に架かる橋を渡って振り返ると、茅葺き屋根の家が並んで江戸時代に迷い込んだかのようです。

土産物屋が並んだ通りに来ました。
ここを真っ直ぐ進んで、道路を渡ったところに忍野村観光案内所があります。

猿まわしをやっていました。
かわいい猿が後ろに手を組んで立っています。

美味しそうな焼き草餅が売っています。

焼き草餅を買ってみました。

焼いた表面はパリパリと香ばしく、よもぎとあんこのバランスがいい感じです。

水車小屋の辺りに戻って来ました。
銚子池、お釜池方面と、鏡池、菖蒲池方面に別れています。

「榛の木林資料館」と洗物が消えると云う伝説が残る「底抜池」

「底抜池」のある「榛の木林資料館」内に入ります。

榛の木林資料館入口がありました。
大人300円で中に入れます。

資料館内に入ると目の前に大きな「鯉の池」が広がっています。
この池は八海には含まれない人造池のようです。

富士山も綺麗に見えています。

池の中にはとっても大きな鯉が泳いでいます。

大きな鯉がたくさんいます。

池の後方に見える山々は紅葉がグラデーションとなっていて、とても綺麗です。

池の脇の川には虹マスがたくさん泳いでいました。

虹マスに自由に触れてくださいと書いてあります。

川に流れる滝も見えます。

小さな滝ですが、情緒ある庭園のような趣で美しいです。

滝の前には水車小屋もありました。

ピンクの菊の花に黄色い蝶が止まっています。

赤く色づいた紅葉が綺麗です。

「榛の木林資料舘」の隠居屋がありました。

中を覗くと畳の部屋に、色々な富士山の写真や木彫りの作品が飾ってあります。

広さは間口五間、奥行二間半です。

風格のある茅葺き屋根が青空に映えています。

隣にあるのが「榛の木林資料舘」の母屋です。

榛の木林資料館は18世紀後半に建てられた現存する忍野村最古の茅葺き民家、渡邉家を開放した資料館だそうです。

玄関から中に入ってみました。

それぞれ12畳半の一の座敷、 二の座敷、 10畳間の三の座敷があり、 渡辺家で代々使われてきた長持、 タンスや生活用具、 古文書類、 「関の兼光」 などの刀剣類、 鎧、 兜などが展示してあります。

奥の部屋は結構広くなっています。
奥の階段を上った2階は、養蚕に使われた部屋で、 養蚕、 機織り、 農業などに使われた農機具類約300点が展示してあります。

土間の奥の天井には、 在地領主の流れをくむ証ともいえる駕籠が吊されています。

土間には車輪のついた赤い小さな力車のようなものが置いてありました。

榛の木林資料館の前には、もみじが綺麗に赤く染まっていました。

敷地の奥には、とちの木の大木が見えます。
その下にひっそりと佇む池も見えます。

青空と赤いもみじが綺麗です。

榛の木林資料館の前の道を進んでいきます。

三番霊場「底抜池(そこなしいけ)」がありました。
祭神は「娑加羅竜王(シャガラリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産15番です。
八海の中では一番昔の風景を保っており、お釜池と底抜池は地底で水脈がつながっているといわれているそうです。
洗い物がたびたび行方不明になるという伝説から「この池で洗い物をすることは神様の怒りにふれることになる」といって恐れられたそうです。
和歌もあります。
「くむからに つみはきえなん 御ほとけの ちかひぞふかき そこぬけの池」

透き通った綺麗な池です。

順路を進んでいくと、先ほどの「鯉の池」の向こう岸に出ました。

こちら側には鴨がたくさん泳いでいます。

榛の木林資料館の母屋の裏にも入口がありました。

中を覗くと、太陽が燦々と降り注いでいました。

池の畔にも赤々としたもみじがあります。

池を周って資料館入口の方に戻ってきました。
展望台があります。

展望台に上ると、綺麗な富士山が見えます。

池の近くの色とりどりの紅葉も綺麗です。

資料館の外の眺めも情緒があって和みます。

縁結びの池と伝えられている「銚子池」

資料館を出て「銚子池」へと向かいます。

阿原川沿いの道を歩いていくと「くるまやはし」があります。
渡らずに川沿いを進みます。

銚子池の案内板がありました。

四番霊場「銚子池(ちょうしいけ)」がありました。
祭神は「和脩吉竜王(ワシュキツリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産16番です。
酒を注ぐ銚子の形からこの名が付けられたといわれているそうです。
池の底の砂地から砂を巻き上げて水が湧いているのがよく見えます。
和歌もあります。
「くめばこそ 銚子の池の さわぐらん もとより水に なみのある川」

綺麗な池の中には小魚がたくさん泳いでいます。

小さくとも、豊富な水量を誇る「お釜池」

続いて「お釜池」を目指します。

銚子池から阿原川沿いを進むと橋が見えてきました。

阿原川と新名庄川に連続してかかる「はっかいばし」です。

阿原川と新名庄川が合流している場所です。

川を渡ると「お釜池」の案内板がありました。

忍野八海案内図もあります。

使われていない水車が飾ってあります。

二番霊場「お釜池(おかまいけ)」がありました。
祭神は「跋難陀竜王(バツナンダリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産14番です。
釜中に熱湯が沸騰するように湧水するという形状からこの名が付けられたといわれているそうです。
バイカモが清流に揺れる風景を見ることができるそうです。
和歌もあります。
「ふじの根の ふもとの原に わきいづる 水ぞこの世の おかまなりけり」

黄色いイチョウの葉が池の周りに落ちていて綺麗です。

池の水面に大きなイチョウの木が反射して写っています。

池の中央部はとても深くなっているようで、時折、大きな魚が深いところから姿を見せていました。

八海の中で最も大きな霊水の「出口池」

少し離れた場所にある「出口池」にも行ってみます。

「お釜池」を出ると、忍野八海の案内図がありました。
ここから「出口池」までファナック通りを進んで、15分だそうです。

静かな場所に「出口池」の案内板がありました。

一番霊場「出口池(でぐちいけ)」がありました。
祭神は「難陀竜王(ナンダリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産13番です。
忍野八海の中でこの池だけが離れた場所にあり、他の池が北斗七星を表すのに対し、北極星を意味しているとされており、溶岩塊の下より湧水があり桂川の水源の一つとなっているそうです。
忍草地域出口に位置することから名づけられたそうです。
和歌もあります。
「天つちの ひらけるときに うごきなき 御山の水の 出口と(た)ふとし」

八海の中では一番大きな池です。

後方はすぐ山となっていて、池を見下ろす林のなかに出口稲荷大明神の神社があります。

ゆるやかな階段を上っていくと、朱色の鳥居が4つ並んでいました。

鳥居の正面に出口稲荷大明神の神社が佇んでいます。

ここには難陀竜王が祀られています。
「難陀」とは、サンスクリット語で「歓喜」という意味で、常に国を守り、適当な時節に雨を降らして百姓を喜ばせる竜王のことだそうです。

黄色く色づいた黄葉が綺麗です。

池の畔には大きな欅の木が存在感を放っています。

出口池の看板があります。

ススキを見つけました。

静寂の中、風が水面を揺らして、落ち葉がひらひらと舞い落ちていました。

この池の湧水は「清浄な霊水」と呼ばれ、富士登山を目指す行者たちはこの水で穢(けが)れを祓っていたため、別名を精進池というそうです。

人も少なくひっそりとしており、より自然を感じられる場所です。

美しい庭園美の「鱒の家」

出口池から戻る途中に「鱒の家」という綺麗な庭園のある宿がありました。

懐しい茅ぶき屋根のふる里の宿「鱒の家」です。

庭園の端にある池には藻が生えています。

富士山も見えます。

もう一つの大きな池は灯篭もあり綺麗です。

池の中にはたくさんの鱒が泳いでいます。

一杯の水を断り濁ったといわれる「濁池」

忍野八海の中心付近にある「濁池」を目指します。

「はっかいばし」を渡って、来た道を戻っていきます。

三番霊場「濁池(にごりいけ)」がありました。
祭神は「阿那婆達多竜王(アナバダッタリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産18番です。
湧池に隣接し、阿原川に注いでいる景観は美しいです。
みすぼらしい行者が一杯の水を求めたが断られ、池の水が濁ってしまったという伝説があるそうでう。
水が濁っている箇所がありますが、全体的に清く澄んでいて、もともとは村人の飲料水となる澄んだ水を湛えていたといわれているそうです。
和歌もあります。
「ひれふらす 龍の都のあらましき くみてしれとや にごる池水」

水草が揺れる綺麗な池です。

池は阿原川の途中にあるようです。

水面に富士山を映す「鏡池」

続いて、「鏡池」を目指します。

七番霊場「鏡池(かがみいけ)」がありました。
祭神は「摩那斯竜王(マナシリリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産19番です。
富士山の姿が鏡のように映るので鏡池と呼ばれており、古くは鰶池(このしろいけ)とも呼ばれていたそうです。
この池にはすべての事の善悪を見分けるという伝説があるそうです。
和歌もあります。
「そこすみて のどけき池ハ これぞこの しろたへの雪の しづくなるらん」

小さな池で、池の水は、それほど綺麗ではありません。

菖蒲にまつわる美しい伝説が残る「菖蒲池」

最後に、「菖蒲池」を目指します。

八番霊場「菖蒲池(しょうぶいけ)」がありました。
祭神は「優鉢羅竜王(ウハツラリュウオウ)」で、富士山世界文化遺産構成資産20番です。
キショウブが自生しており、初夏には美しい花を咲かせ、石碑越えに見える霊峰富士の美しい景色を見ることができます。
細長い形の池で、菖蒲が周辺に繁り、香りが立ちこめていたとさえ言われていたそうです。
和歌もあります。
「あやめ草 名におふ池ハ くもりなき さつきの鏡 みるここちせり」

「菖蒲池」の案内板もあります。

赤や白の鯉も泳いでおり、池の中央には石碑が見えます。

「菖蒲池」の近くに茅葺き屋根の東屋がありました。
この辺りは菖蒲池公園のようです。

「ようこそ やすらぎの里へ!」と書かれた看板もあります。

「かやぶき茶屋」がありました。
忍野八海の綺麗な水を使った、そばやコーヒーがあるそうですが、営業していないようでした。

池の前には鳥居のようなものもあります。

コバルトブルーの透明で美しい「中池」

忍野八海の中心地で一番にぎやかな「中池」へと向かいます。

「中池」に来ました。
この池は人工池のようで、八海には含まれていません。

橋がかかっていますが、渡れないようになっています。

笠をかぶった人が座った像と、亀の像があります。

明るい緑色の水草がゆらゆらと漂っていて綺麗です。

ニジマスやイワナが優雅に泳いでいます。

池の水がキラキラと輝い輝いています。
白いアルビノのニジマスもたくさんいます。

「富士山溶岩石」の石碑があります。

「日本名水百選地」の石碑もあります。

中池のお土産屋の中に入ると、健康増進「長寿の泉」というのがありました。

柄杓が置いてあり、自由に飲んで良いそうです。

お土産屋の中を通って中央の小さな池に来ました。

コバルトブルーの透き通った綺麗な池の中を、黒や白や青のニジマスがたくさん泳いでいます。

水深は8mあるそうです。

「忍野八海神の泉」と書かれた手水のようなものがありました。

その隣には富士山の形をした石碑が祀られています。
富士山溶岩石で作られたものでしょうか。

池の周りには人がたくさんいて人気の場所になっています。
池を覗くと鏡のように反射しています。

小さな池の周りを、先ほど見ていた池が囲んでいる形になっています。

コバルトブルーの池に白いニジマスが泳ぐ姿は神秘的です。

「池本茶屋」の名水で作る「そば」

中池の前にある「池本茶屋」で昼食を食べることにしました。

「池本茶屋」に来ました。

「湧池」が目の前に見える、最高の席に案内されました。

メニューは、かけそば、あつもりそば、月見そば、山菜そば、山かけそば、月見山かけそば、かけうどん、あつもりうどん、月見うどん、山菜うどん、山かけうどん、月見山かけうどん、もりそば、ざるそば、つけとろろそば、冷やし山かけそば、冷やし月見山かけそば、つけうどん、ざるうどん、つけとろろうどん、冷やし山かけうどん、冷やし月見山かけうどん、などがあります。

天ぷらもあります。

一品料理で、岩魚塩焼、刺身コンニャク、湯豆腐、名水豆腐、そばがき、ところ天、おにぎり、おしるこがあり、ビール、日本酒、そば焼酎、芋焼酎、ワイン、ソフトドリンク、かき氷もあります。

天ぷらが来ました。
海老、カボチャ、さつまいも、にんじん、ピーマン、まいたけがあります。

山かけそばをいただきました。
ツルツルとした食感でこしがあり、美味しかったです。

名水を使ったお茶はセルフサービスです。
最後にそば湯も出て来ました。

「湧池」を眼前に眺めながら食事ができる、最高のロケーションです。

食後にもう一度「湧池」を見に来ました。

透明な池に太陽が降り注ぎ、反射した木々と優雅に泳ぐ色とりどりの魚たちが美しいです。

おわりに

忍野八海は、四方を山に囲まれた高原盆地に、富士の自然が育んだ澄んだ水が湧く、神秘的な湧水池でした。
8つの湧水池には、それぞれ伝説や祭神があり、気持ちの良い青空が広がる中、富士山と紅葉を眺めながらの散策はとても楽しかったです。
今回は訪れていませんが、菖蒲池の近くには「忍草浅間神社(しぼくさせんげんじんじゃ)」もあり、富士山の噴火を鎮めるため、延歴21(802)年に建立された歴史ある神社で、境内には16本ものイチイの大木が並んでおり、県の天然記念物に指定されているそうなので、そちらも見所のひとつですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

information

忍野八海

住所
山梨県南都留郡忍野村忍草 (GoogleMap)
アクセス
富士急行大月線「富士山」駅より「内野行き路線バス」または「ふじっ湖号」で25分「忍野村役場前」バス停下車
東名高速道路「御殿場IC」より車で約45分
公式HP
http://www.oshino.jp/

池本茶屋

住所
山梨県南都留郡忍野村忍草354 (GoogleMap)
アクセス
富士急行河口湖線「富士山」駅より富士急山梨バスふじっ湖号で21分「大橋」下車、徒歩5分
営業時間
9:00~16:30(売店は8:00~18:00)(食事は10:30〜)
定休日
なし
公式HP
https://tabelog.com/yamanashi/A1903/A190302/19001633/
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