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徳川家康公ゆかりの古寺「圓光寺」の洛北最古の池の水面に浮かぶ美しい紅葉

「圓光寺」は、静かな山里が広がる京都市左京区の一乗寺エリアにある寺院です。
徳川家康によって京都伏見に開設された学問所が起源となっているお寺で、雲海を駆け抜ける龍を表現した枯山水庭園「奔龍庭」や、洛北で最も古い池と言われる栖龍池のある池泉回遊式庭園「十牛之庭」などあり、人気の観光スポットとなっています。
春の青紅葉、夏の百日紅の花、秋には燃えるような真っ赤な紅葉と一面に広がるもみじの絨毯を楽しめます。
今回はそんな「圓光寺」におでかけしてきました!

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枯山水庭園「奔龍庭」が美しい徳川家康ゆかりの古寺「圓光寺」

徳川家康が国内教学の発展を図るために慶長6年(1601年)に設立した学校を始まりとする「圓光寺」には、家康から贈られた日本最古の木活字約5万個(重要文化財)や、円山応挙作の雨竹風竹屏風図(重要文化財)が残されており、ご本尊は運慶作とされる千手観世音菩薩坐像です。
境内には、澄んだ音を響かせる水琴窟、洛北最古の栖龍池(せいりゅうち)のある十牛の庭(じゅうぎゅうのにわ)、奔龍庭(ほんりゅうてい)などがあります。
枯山水の庭園「奔龍庭」は平成25年(2013年)に完成した新しい庭園で、渦を巻いたような白砂は雲海に、そそり立つ石柱は稲妻に、また石組は天空を駆け抜ける龍に見立てたもので、躍動感のある庭園です。

「圓光寺」に来ました。
「圓光寺」の由来が書いてあります。
慶長6年(1601年)徳川家康は国内教学の発展を図るため、下野足利学校第九代学頭・三要元佶(閑室)禅師を招き、伏見に圓光寺を建立し学校とし、僧俗を問わず入学を許したそうです。
また、孔子家語(こうしけご)・貞観政要(じょうかんせいよう)など多くの書籍を刊行し、伏見版または圓光寺版と称され、当寺には、出版に使用された木活字が現存しており、我国出版文化史上特筆すべき寺院であるといえるそうです。
その後、圓光寺には相国寺山内に移り、さらに寛文7年(1667年)現在の一乗寺小谷町に移転されたそうです。
寺内には本尊千手観音(伝運慶作)・日本最古の木活字約5万4千個(重要文化財)・竹林図屏風六曲(円山応挙作・重要文化財)などがあるそうです。
庭園は、山門を入ると枯山水の奔龍庭が広がり、さらに中門を抜けると苔と紅葉の美しい十牛之庭があり、円山応挙の描いた竹林、水琴窟、栖龍池とともに洛北の静寂さを醸し出しているそうです。
また、境内には徳川家康公の歯を埋葬した東照宮、花の生涯のヒロイン・村山たか女、南方特別留学生・サイド・オマール氏の墓があるそうです。
当山は、明治以降、先年まで臨済宗南禅寺派の尼寺であり、我国臨済宗唯一の尼僧修行道場であったそうです。

「瑞巌山 圓光寺」と刻まれた石碑の近くには、紅く色づいたもみじと美しい松の木が並んでいます。

山門の入り口に菊の花が飾られています。

山門をくぐり、参道を歩いていきます。

枯山水の庭園「奔龍庭」がありました。

「奔龍庭」の奥には「瑞雲閣」(ずいうんかく)があり、書物の刊行に使用された江戸時代の木活字(もっかつじ)など圓光寺の貴重な宝物が展示されているそうです。

「奔龍庭」は、白砂を雲海に見立て、天空を自在に奔る龍を石組であらわした平成の枯山水です。

美しく整備された枯山水に石が配置されています。

龍の頭部と背中付近にそびえ立つ石柱はかつて井戸の部材として使われていたもので、端に開けられたいくつもの穴にその名残を見つけることができるそうです。
荒く切り立った石柱は龍の周囲に光る稲妻をも表現し、庭園全体に躍動感を与えています。

通路を挟んだ手前にも、枯山水があります。
苔から石柱が伸びています。

「奔龍庭」の前には、十一面観音立像があります。

枯山水の上にもみじの葉が落ちて、風情あります。

煌びやかな金色に光る襖絵がありました。
渡辺章雄作「琳派彩還 四季草花図」です。

中門をくぐり、本堂の方へ進むと鮮やかな紅葉が迎えてくれます。

裏山の高台に人がいるのが見え、展望スポットがあるようです。

本堂の前に「水琴窟」がありました。
竹穴に耳を近づけると、澄んだ音が響いていました。

縁が広い盃型の手水鉢を用いた水琴窟はあまり例が無く、古くから「圓光寺型」として多くの趣味人に愛されてきたそうです。
赤いもみじが添えられて美しいです。

本堂の前には、「十牛之庭」があり、赤や黄色に色づいたもみじが見事です。

十牛之庭の隅に「蟠龍窟」(ばんりゅうくつ)がありました。
「蟠龍窟」では毎週日曜日の早朝に「日曜座禅会」が開かれているそうです(前日までに要予約、初回のみ志納金要)。
内容は、座禅・作務・法話・朝粥で、初心者でも参加でき、分かりやすい指導をしてくださるそうです。
坐禅では、蟠龍窟禅堂で本格的に坐り、作務では、ほうきの一掃一掃、雑草を抜く一本一本に、自分の中にある雑念妄想を払拭し、法話では、仏法とは、禅とは何か、住職がわかりやすく説法し、粥坐では、禅寺、僧堂の朝食で、修行のひとつでもあり、お粥に、たくあんと梅干しだけの質素な食事に感謝をしながらいただくそうです。

徳川家康が祀られた「東照宮」と高台から眺める洛北の秋

境内の裏山には、圓光寺開基・徳川家康の歯が埋葬されている東照宮や、歴史小説「花の生涯」のヒロイン・村山たか女の墓などがあり、高台から洛北を一望することができます。

竹林と紅葉のコラボレーションです。

境内の裏山の階段を上っていきます。

赤と黄色に色づいたもみじが綺麗です。

裏山に延びる遊歩道を上って来ました。
ヒノキの木が高く聳えています。

鳥居をくぐり進んでいきます。

徳川家康公を祀った「東照宮」がありました。
江戸時代の「遺拾都名所図會」に当寺東の山上には白木造りにして荘厳なる名跡とうたわれ、「雨月物語」の作者上田秋成もよくお参りしたと言われているそうです。

もみじが夕日に染まって輝いています。

高台からは、洛北を一望できます。
沈んでいく夕日が京都市街をオレンジ色に染めています。

「東照宮」の横には、歯を埋葬した徳川家康公のお墓があります。

大きなもみじの木がお墓を守るように立ち、鮮やかに色づいています。

もみじの葉が、黄色と赤の綺麗なグラデーションとなっています。

墓地内には村山たか女(花の生涯のヒロイン)、マレーシア留学生オマール氏(広島原爆にて死亡)のお墓もあるそうです。

池泉回遊式庭園「十牛之庭」の洛北最古の池「栖龍池」に映る紅葉

「十牛之庭」は、牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にして近世初期に造られた池泉回遊式庭園です。
十牛図に描かれた牛とは、人間が生まれながらに持っている仏心をあらわしており、牧童が禅の悟りにいたるまでの道程であり、懸命に探し求めていた悟りは自らのなかにあったという物語だそうです。
庭園南側には洛北最古の泉水、栖龍池があり、先人たちはここからの眺めを絶景として褒め称えたそうです。

「応挙竹林」と呼ばれる竹林の中の道を下りていきます。
この孟宗竹林は昔、円山応挙がよく訪れた竹林で、この竹林を「雨竹風竹図」として描き残したそうです。

竹林の隙間から紅葉が見え、素晴らしい景色です。

上を見上げると、高く延びる孟宗竹が放射状に見え、吸い込まれそうな不思議な感覚になります。

「十牛之庭」にある洛北最古の泉水「栖龍池」がありました。
黄色に色づいたもみじが覆い被さるように垂れ下がり、水面に反射しています。

「瑞雲閣」がありました。
縁側が開けてあり、「十牛之庭」の紅葉を眺められるようになっています。

「栖龍池」の側に来ました。
水面には散ったもみじの葉が浮かび、美しい景色です。

赤い南天の実がありました。

真っ赤に色づいたもみじもあります。

苔と散りもみじの絨毯の中に小さなお地蔵さんがいました。

微笑んだ表情がとてもかわいいです。

書院から眺める紅葉と杉苔が見事な「十牛之庭」

書院の中からは、紅葉で彩られた「十牛之庭」をゆったりと眺めることができます。

書院の中に入りました。
金色に煌めく襖絵を近くで見ることができます。
桜、紅葉、ススキ、竹林、満月、ふくろうが描かれています。

金色の装飾が上から吊り下げられています。
四隅には龍がいます。

富岡鉄斎作の襖絵「米點山水図」がありました。
南宗画の巨人、富岡鉄斎が明治18年(1885年)に紅葉の圓光寺を訪れて描いたもので、米點とは、水墨の点を打ち重ねて描く南宗画の技法だそうです。

本尊「千手観世音菩薩坐像」がありました。
鎌倉初期の天才仏師、運慶の作と伝えられており、千手観音菩薩とは、あらゆる手を尽くして生きとし生けるものすべてを救済する慈悲の象徴だそうです。
流れるような天衣の彫刻に加え、重厚感のある台座や装飾品の錺金具など随所に細緻な技が施されており、開山当時の工芸技術の高さがしのばれるそうです。

書院の縁側には毛氈が敷かれ、縁側に座って「十牛之庭」をゆったりと眺められます。

「十牛之庭」を赤や黄色の紅葉が彩り、心落ち着く穏やかな景観です。

「圓光寺」の歴史を感じさせる、味のあるかわいい灯篭も見えます。

書院を出て、ライトアップされた金の襖絵をもう一度眺めました。
何度見ても美しい襖絵です。

夕日が落ち、暗くなってゆく「圓光寺」を後にしました。

おわりに

「圓光寺」は、京都市街地から少し離れた静かな山里にある、見所の多い寺院でした。
天空を駆け抜ける龍を表現した枯山水庭園「奔龍庭」は躍動感があり、水琴窟に耳をすませば美しい音色が響き、池泉回遊式「十牛之庭」には、洛北で最も古い池と言われる栖龍池を紅葉が彩り、苔ともみじの絨毯の中には、小さなお地蔵さんがかわいい表情で微笑んでいました。
「応挙竹林」と呼ばれる竹林から延びる遊歩道を上ると、山上には徳川家康を祀った東照宮があり、高台から京都の洛北エリア一帯が見渡せる穴場的な展望スポットもありました。
「圓光寺」の美しい庭園をゆっくりと観賞して、心静まる贅沢なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

information

瑞巌山 圓光寺

住所
京都府京都市左京区一乗寺小谷町13 (GoogleMap)
アクセス
叡山電鉄「一乗寺」駅より徒歩約15分
JR「京都」駅より京都バスで「一乗寺下り松」下車、徒歩約10分
拝観時間
9:00~17:00
拝観料金
大人:500円
中・高生:400円
小学生:300円
公式HP
http://www.enkouji.jp/
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