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平家物語に登場する尼寺「祇王寺」の苔庭を飾る散りもみじ

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「祇王寺」は、京都の奥嵯峨野にある竹林と楓に囲まれた尼寺です。
「平家物語」にも登場し、平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王の悲恋の物語が残る尼寺として知られています。
美しい苔に覆われた苔庭も有名で、秋になると散りもみじが真紅の絨毯となって境内を飾ります。
今回はそんな「祇王寺」におでかけしてきました!

「紅葉の馬場」で有名な「二尊院」の前を通って「祇王寺」へ

嵐山駅から「祇王寺」へ行く道には「二尊院」があります。
「二尊院」は、本尊に釈迦如来と阿弥陀如来の二尊が祀るため「二尊院」と呼ばれ、伏見城(薬医門)から移築された総門からは、紅葉で敷きつめられた参道が続き「紅葉の馬場」と呼ばれる紅葉の名所となっています。

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「祇王寺」へ向けて歩いて行くと、京都・花灯路の行灯がありました。
第7回「創作行灯デザインコンペ」で、全国21都道府県から123点の応募の中から選ばれた最優秀作品「京艶美(きょうえんび)」という作品のようです。
京瓦を用いた作品で、重厚な渋い光を放つ京瓦の中から漏れる灯りと行灯の造形の美しさから、最優秀作品に選ばれたそうです。

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ススキの奥に、たくさんの行灯が並んでいます。

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「小倉山 二尊院」の境内案内図がありました。
「常寂光寺」にもあった「時雨亭跡」もあります。
背後には、小倉山、亀山、嵐山が連なっています。

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「二尊院」の「総門」がありました。
「総門」は、伏見桃山城の薬医門を1614年に角倉了似により移築したもので、室町時代の建築として京都市の指定有形文化財になっているそうです。

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「総門」をくぐってみます。

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総門を抜けると、真っすぐに伸びた参道が広がり、参道の両端に色づいた紅葉が並んでいます。
約百メートルの間にモミジとサクラの木が交互に植えられており、秋は赤や黄の色鮮やかな紅葉のトンネル、春は華やかな桜色に染まり、夏は色濃く重なる緑に覆われ、冬は霜に輝く木々が連なり、四季それぞれの風景を楽しめるそうです。

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「二尊院」の説明板がありました。
小倉山と号し、天台宗山門派(延暦寺)に属し、承和8年(841)嵯峨天皇の勅願によって慈覚大師が創立し、本尊に釈迦如来、阿弥陀如来(重要文化財)の二尊を祀り、長く荒れていたのを法然上人の高弟湛空が再興したそうです。
境内には楓樹が多く、本堂の後の山は、百人一首の
「小倉山 峯のもみじ葉 心あらば 今一度の 御幸またなん 忠平」
の歌で名高い小倉山で昔から紅葉の名所として知られているそうです。
また、大堰川開墾者角倉了以や、儒者伊藤仁斎、その子東涯などの墓があり、定家卿が百人一首を編んだ時雨亭は、この小倉山の山腹にあったともいわれるそうです。

苔と紅葉が美しいつつましやかな草庵「祇王寺」

小さな寺院「祇王寺」は、もとは法然上人の門弟・良鎮によって創建された往生院が小さな尼寺となり、平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が、仏御前に愛を奪われて捨てられた後、母の刀自(とじ)や妹の祇女(ぎじょ)とともに庵を結んだことにより、祇王寺と呼ばれるようになったそうです。
この逸話は平家物語の第一巻「祇王」にも記されており、現在は、真言宗大覚寺派の寺院で、旧嵯峨御所大覚寺の塔頭寺院ともなっているそうです。
白拍子というのは、白い水干、立烏帽子に白鞘の刀を差す男装で、平安時代末期から鎌倉時代にかけて流行した今様を歌いながら舞を舞った女性のことです。

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木々に囲まれた「祇王寺」がありました。

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緑の木々と色づいた紅葉に囲まれた、緩やかな石段の小道が延びています。

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「祇王寺」の説明板がありました。
往生院祇王寺と号する真言宗の寺で、寺伝によれば、この地は、平安時代に法然上人の弟子、念仏房良鎮が往生院を開創し、後に祇王寺と呼ばれるようになったと伝えられているそうです。
平家物語によれば、祇王は平清盛に仕えた白拍子であったが、仏御前の出現により清盛の心が離れてしまったので、母・刀自、妹・祇女と共に出家し当地に移り住み、後には、仏御前も加わり、念仏三昧の余生を送ったと伝えられているそうです。
現在の本堂は、明治28年(1895)に再建されたもので、堂内には、本尊大日如来像をはじめ、平清盛と祇王ら四人の尼僧像を安置しており、境内には、祇王姉妹等の墓と伝えられる宝筐印塔及び平清盛の供養塔などがあるそうです。

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小道の前に古い石碑があり、緑色の苔も生しています。

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緩やかな石段の小道を進んでいきます。

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柴垣の壁に小さな屋根がついた「祇王寺」の入り口がありました。
拝観料は大人300円、小中高生100円で、大覚寺・祇王寺共通拝観券600円というのもあります。

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境内に入ると、紅く色づいた紅葉と緑色の樹々に囲まれた庭が広がっています。
散りもみじが一面に敷かれて、美しい景色です。
樹々に隠れるように、「祇王寺」の本堂「草庵」があります。
「草庵」は、明治時代に再興されたとき、当時の京都府知事から贈られたものだそうです。

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境内に入って右手に進むと、茅葺屋根の山門がありました。

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山門へと行く途中に、石灯篭が並んでいました。

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苔の庭に散りもみじが降り積もり、地面を紅く染めています。

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山門の前に来ました。
茅葺の屋根に苔が生し、紅葉の葉も乗って、風情のある門です。

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山門をくぐりました。
山門の前の入り口は閉ざされているようです。

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山門を振り返ると、歴史を感じさせる茅葺屋根が青空に映え、絵のような美しい景観です。

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散りもみじに覆われた美しい庭を鑑賞しながらゆっくりと庭を周ります。

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庭の北の方に竹林がありました。

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まっすぐに高く聳える竹林が緑色に輝いています。

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「壱両・拾両・百両・千両・万両」の説明と、色々な種類の苔の写真もあります。
苔の写真は、シノブゴケ、コウヤノマンネングサ、ミズゴケ、ギンゴケ、ハイゴケ、カサゴケ、オオシラガゴケ、ヤマトフデゴケ、ナガエノスナゴケ、ホソバシラガゴケ、フデゴケ、スナゴケ、ヒノキゴケ、タマゴケ、カモジゴケなどが紹介されています。

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壱両「蟻通(アリドオシ)」は、アカネ科の常緑小低木で、和名の由来は針がアリを刺し通すほど鋭いことからで、センリョウ、マンリョウと一緒に植えて「千両万両有り通し」と縁起を担ぐ俗信があるそうです。
拾両「藪柑子(ヤブコウジ)」は、ヤブコウジ科の常緑小低木で、和名の由来は藪の中に生え、葉の形や果実がコウジに似ているためで、武家の元服の髪そぎの時に山管に添えられたそうです。
百両「唐橘(カラタチバナ)」は、ヤブコウジ科の常緑小低木で、和名の由来はヤマタチバナ(ヤブコウジの古名)に対して付けられた名で、園芸品種が多く、実の色は赤白黄茶桃色などだそうです。
千両「千両(センリョウ)」は、センリョウ科の常緑小低木で、和名の由来はマンリョウ科のカラタチバナが百両とあるのに対して、それよりも美しいという意味で千両とつけられたそうで、日本の原産だそうです。
万両「万両(マンリョウ)」は、ヤブコウジ科の常緑小低木で、和名の由来はセンリョウ科のセンリョウよりも実が美しいためで、江戸時代の頃から園芸植物だったそうです。

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祇王寺の苔が小さな植木鉢に入れられて並んでいます。

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奥には、一両(アリドオシ)、十両(ヤブコウジ)、百両(カラタチバナ)、千両(センリョウ)、万両(マンリョウ)も並んでいます。

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庭を振り返ると、上は色づいたもみじが、下には散りもみじが広がり、庭一面が紅く染められて、とても美しい景色です。

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ひっそりと佇む本堂の「草庵」がありました。
「草庵」の控えの間にある「吉野窓」と呼ばれる丸窓は、光の入り具合によって虹色の影を作ることから「虹の窓」とも呼ばれるそうです。
「草庵」の中に入ると仏壇があり、本尊大日如来、清盛公、祇王、祇女、母刀自(おもとじ)、仏御前の木造が安置されていましたが、「草庵」の中の撮影は禁止でした。
「草庵」の南側には、祇王らを祀る宝筺印塔、清盛を供養する五輪塔などもありました。

風流な庵跡「落柿舎」を経て嵐山駅へ

「落柿舎(らくししゃ)」は、江戸時代の俳人で松尾芭蕉の門人の向井去来が構えた庵(いおり)です。
向井去来は、蕉門十哲(松尾芭蕉の門人で、特に優れた者10人)の1人に数えられ、俳諧の古今集といわれる「猿蓑(さるみの)」の編者としても有名で、松尾芭蕉もこの庵に滞在し、嵯峨日記を執筆したそうです。

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「祇王寺」の外に出ると、ピンク色のかわいい前掛けをした、お地蔵さんが7体ありました。

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「祇王寺」と「大覚寺」の歩きマップがありました。
「祇王寺」から「大覚寺」までは歩いて25分ほどで、飲食店や観光施設も点在しています。

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行きと同じく「二尊院」の前を通って嵐山駅の方へ戻ります。

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途中、「落柿舎」がありました。
「落柿舎」の名は、庭にあった40本の柿の木になった実が大風で一晩のうちにすべて落ちてしまったということに由来するそうです。

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入り口には、綺麗なオレンジ色の実がなった柿の木もあります。

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「落柿舎」の説明板もあります。
ここは、蕉門十哲の一人として名高い向井去来(慶安4年(1651)~宝永元年(1704))の閑居の跡として知られており、当時、庭にあった40本の柿の実が一夜のうちにほとんど落ちつくし、かねて買約中の商人を気の毒に思って価を返してやったことが落柿舎の名の由来だそうです。
芭蕉も晩年、三度当庵を訪れて、名作「嵯峨日記」を著し、庭には去来のよんだ「柿主や梢はちかきあらし山」の句碑があるそうです。
去来は長崎の生まれ、芭蕉に師事して俳諧を学び、その芭蕉をして「洛陽に去来ありて、鎮西に俳諧奉行なり」といわしめ、かつて武人であった去来は極めて篤実真摯な人柄で、芭蕉に仕えるさまは、ちょうど親に対するようであったそうで、その句「鴨なくや弓矢を捨てて十余年」はよく知られているそうです。

おわりに

「祇王寺」は、竹林と楓に囲まれた静かなお寺でした。
苔に包まれた庭を紅い散りもみじが一面を覆い、茅葺屋根の山門や本堂の草庵が趣深い佇まいで、平安の物語を彷彿とさせる雰囲気が漂っていました。
本堂の草庵には、祇王の悲恋の物語として平家物語にも登場する、清盛公、祇王、祇女、母刀自、仏御前の木像が安置され、影が虹のように見えるため「虹の窓」と呼ばれる「吉野窓」がありました。
悲恋の尼寺「祇王寺」の散りもみじで覆われた苔庭を眺めて、平安から受け継がれる物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

information

小倉山 二尊院

住所
京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27 (GoogleMap)
アクセス
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅より徒歩約19分
京福電鉄嵐山線「嵐山」駅より徒歩約19分
拝観時間
9:00~16:30(受付終了)
拝観料金
大人(中学生以上):500円
小人(小学生以下):無料
休日
なし
公式HP
http://nisonin.jp/

高松山 祇王寺

住所
京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32 (GoogleMap)
アクセス
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅より徒歩約20分
京福電鉄嵐山線「嵐山」駅より徒歩約20分
拝観時間
9:00~17:00(16:30受付終了)
拝観料金
大人:300円
小人(小中高):100円
公式HP
http://www.giouji.or.jp/

落柿舎

住所
京都府京都市右京区嵯峨小倉山緋明神町20 (GoogleMap)
アクセス
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅より徒歩約15分
京福電鉄嵐山線「嵐山」駅より徒歩約15分
拝観時間
9:00~17:00(1月、2月は10:00~16:00)
拝観料金
250円
休日
12/31、1/1
公式HP
http://www.rakushisha.jp/