「プラド美術館」は、スペインのマドリードにある世界三大美術館の一つとも言われる美術館です。
スペイン絵画を中心に15~19世紀のヨーロッパ絵画が多く展示されており、三大巨匠の「ディエラ・ベラスケス」、「フランシスコ・デ・ゴヤ」、「エル・グレコ」の作品も充実しています。
三大巨匠の作品の中でも、ベラスケスの「ラス・メニーナス」、ゴヤの「着衣のマハ」「裸のマハ」、エル・グレコの「胸に手を置く騎士の肖像」は特に見逃せない傑作です。
今回はそんな「プラド美術館」におでかけしてました!
スペイン王朝の栄華を伝える魅力的な絵画が並ぶ「プラド美術館」
「プラド美術館」は、マドリードの中でも是非訪れたい有名な観光スポットです。
16世紀以降のスペイン王家によって収集された、スペイン、イタリア、フランドル絵画を中心に、1819年に王立の美術館として開設された世界でも有数の美術館です。
8,600点を越える絵画コレクションには、宮廷画家であったベラスケスやゴヤの生涯を網羅する代表作群のほか、エル・グレコやムリーリョの宗教画、ラファエロ、ティツィアーノ、ボス、ルーベンスなどイタリアやフランドル絵画の第一級のコレクションもあります。
バスで「プラド美術館」へ向かっていると、マドリードの中心部にある「シベーレス広場」がありました。
広場の中心に「シベーレスの噴水」があり、周りには18世紀から20世紀にかけて建設された建築物が並んでいます。
「シベーレスの噴水」は、18世紀にカルロス3世により計画され、農業と豊作をつかさどるギリシャ神話の大地母神、キュベレがライオンの引く2頭立て馬車に乗る姿を描いているそうです。
「シベーレス広場」から200mほどで「アルカラ門」がありました。
「アルカラ門」の名前は、古くはアルカラ・デ・エナレスに続いていたことに由来し、花崗岩で出来た新古典様式建築で、5つのアーチからなり、門の上には戦士や天使の像が配置されています。
プラド美術館のすぐ前に美しい教会がありました。
「サン・ヘロニモ・エル・レアル教会」です。
15世紀に建てられた、マドリード唯一のゴシック様式の教会で、最古の宗教建造物だそうです。
「プラド美術館」に到着しました。
「フラ・アンジェリコとフィレンツェ・ルネサンスの台頭展(Fra Angelico and the Rise of the Florentine Renaissance)」の看板が見えます。
フラ・アンジェリコは、フィレンツェ・ルネサンスの代表的画家のひとりで、1420年代半ばに彼が描いた「受胎告知」は、初期フィレンツェ・ルネサンスの傑作とされているそうです。
建物に大きく「1819」と書かれています。
右側には、「2019」と書かれています。
プラド美術館は1819年11月19日に開館し、2019年で200周年を迎え、特別展「Museo del Prado 1819-2019 Un lugar de memoría」が2018年11月19日〜2019年3月10日まで開催されていたそうです。
プラド美術館の北側入口にゴヤの像がありました。
ゴヤ像の台座には「裸のマハ」の彫刻があります。
ゴヤ像の近くからは、「サン・ヘロニモ・エル・レアル教会」も見えます。
東側のヘロニモスの扉の辺りに来ました。
開館200周年の特別展「ベラスケス・レンブラント・フェルメール、それぞれの視点(Velázquez,Rembrandt,Vermeer MIRADAS AFINES)」が開催されているようです。
複数の作品の間を行きつ戻りつして表現技術やテーマ、その時代の風俗、習慣等々を比較しながら相違点や類似点を発見する楽しみを提供する企画だそうです。
入口に並んで10時の開館を待ちます。
夕方からの入館は無料になるそうです。
入場チケットには、プラド美術館に展示されている作品が印刷されています。
上のチケットは、アンジェリコの「受胎告知」で、下のチケットは、フェデリコ・デ・マドラーソの 「ビルチェス伯爵夫人の肖像」です。
10時の開館と同時にプラド美術館の中に入りました。
入り口付近に、ホセ・アルバレス・クベロの「サラゴサの防衛」の彫像があります。
館内は撮影禁止ですが、ここだけは大丈夫のようです。
奥には、「Cafe Prado」というカフェもあるようです。
ベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」、「イサベル・デ・ブルボン王妃騎馬像」、「フェリペ4世騎馬像」、「マルガリータ王女」や、ゴヤの「着衣のマハ」、「裸のマハ」、「カルロス4世の家族」、「1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺」、「我が子を喰らうサトゥルヌス」、「砂に埋もれる犬」や、エル・グレコの「胸に手を置く騎士の肖像」、「受胎告知」、「羊飼いの礼拝」、「聖三位一体」など、三大巨匠の作品を中心に鑑賞しました。
中でも、ベラスケスの代表作「ラス・メニーナス(女官たち)」は、プラド美術館のコレクションの中でも至宝で、近くをはっきり、遠くをぼんやりと暗めに描く「空気遠近画法」が用いられた素晴らしい作品でした。
マルガリータ王女を囲むように、二人の侍女、小人、少年、犬が描かれ、大きなキャンバスを前にベラスケス自身が画家として立っており、奥の鏡に映った国王フェリペ4世夫妻を描いているという情景を国王夫妻の目線で描かれた、絵の中に誘われるような奥深い作品でした。
エル・グレコの「胸に手を置く騎士の肖像」では、手の指を開き、中指と薬指だけを付けて胸に当てるポーズが印象的でした。
他にも、初期ネーデル絵画の巨匠ヒエロニムス・ボスの傑作「快楽の園」という、「地上の楽園」、「快楽の園」、「地獄」と3枚のパネルに別れた高さ2m20cm、横幅4mほどの祭壇画風のユニークな作品もありました。
美術館のように美しい「レティーロ公園」
「レティーロ公園」は、プラド美術館からほど近いマドリードの中心部にある公園です。
画家のベラスケスが仕えたスペイン・ハプスブルグ王朝4代目のフェリッペ4世を隠居させるために、当時政治を握っていたオリバーレス伯の命によって造られた公園で、面積125ヘクタール、東京ドーム26.7個分の広大な敷地には魅力溢れる彫像や噴水、記念碑などが多数配置されており、美術館のような美しい公園です。
スペイン語のレティーロは、日本語でリタイヤ・隠居を意味しているそうです。
プラド美術館から東に歩いていくと「マリア・クリスティーナ・デ・ボルボン記念碑」がありました。
マリア・クリスティーナ・デ・ボルボンは、ナポリ・シチリアの王女として生まれ、スペイン王フェルナンド7世の4番目の妃で、長女である女王イサベル2世の摂政を務めたそうです。
プラド美術館から徒歩5分くらいの場所にある「レティーロ公園」に来ました。
「フェリペ4世の門(Puerta de Felipe IV)」から公園内に入りました。
背後にはプラド美術館の別館「カソン・デル・ブエン・レティーロ(El Cason del Buen Retiro)」も見えます。
「レティーロ公園」のマップがありました。
公園内には、大きなレティーロ池や、パラシオ・デ・ベラスケスによって建設されたパラシオクリスタルと呼ばれるガラスの美しい建築物や、解放軍博物館などもあります。
「フェリペ4世の門」の前には「パルテレ庭園」が広がっています。
整備された庭園に美しい花々が配置され、とても綺麗です。
「フェリペ4世の門」は、細やかな彫刻が施された白く美しい門です。
宮廷を思わせる美しい庭園が広がっています。
レティーロ公園から見えるプラド美術館の別館「カソン・デル・ブエン・レティーロ」の建物も瀟洒で、絵になります。
南側には三角錐型の屋根が並んだ、お城のような建物も見えます。
北側にある白い建物も美しいです。
プラド美術館の方へと戻っていくと、かわいい馬車の絵が描かれた2階建てバスが通り過ぎて行きました。
マドリードの観光名所を巡回する2階建てバスで、1日券の乗り降り自由で、座席には日本語の音声ガイドも付いているそうです。
プラド美術館に戻ってきました。
「サン・ヘロニモ・エル・レアル教会」が青空の下で美しく佇んでいます。
過去にはスペイン国王の戴冠式も行われ、日本の天正時代の遣欧少年使節団がスペイン国王フェリペ2世に謁見した場所でもあるそうです。
「La Tahona de Alburquerque」の本場のシーフードパエリアを堪能
「La Tahona de Alburquerque」は、マドリードのチャンベリ地区の閑静な一角にあるスペイン料理店です。
カスティーリャ料理、バスク料理、ガリシア料理、マドリッド料理、アンダルシア料理、アストゥリアス料理など、スペインのさまざまな地域の料理を組み合わせて最高のスペイン料理を提供しています。
バスに乗って、シベーレス広場から北に延びるレコレトス通りを進んでいくと、コロン広場に「コロンブスの像」がありました。
高い塔の上にコロンブスの像が立っています。
「La Tahona de Alburquerque」に着きました。
メニューボードにメニューが書かれています。
パエリア、ミックスサラダ、アンダルシアのガスパチョ、アセルガスレオガダス(不断草のオイル和え)、ローストビーフ、仔牛のフィレステーキ、ヒラメのソース煮、豚の血液入りソーセージ卵のせなどがあります。
地下に下りていくと、壁一面に大きな絵が描いてありました。
パンやぶどうなど、食べ物がオシャレに描かれています。
伝統的なカスティリアンスタイルで装飾された部屋が4つほどあり、大人数でも食事を楽しめるようになっています。
まずはサラダをいただきました。
トマト、レタス、玉ねぎをオリーブオイルでいただくシンプルなサラダです。
大きなパエリア鍋でシーフードパエリアが来ました。
パエリヤは、スペイン南東部のバレンシア地方で生まれ、バレンシア語でフライパンという意味だそうです。
パエリア鍋の写真を撮ったら、小皿に取り分けてくれました。
有頭エビ、アサリ、白身魚、パプリカ、ズッキーニなどが入った本格シーフードパエリアです。
本場のシーフードパエリアをじっくりと堪能しました。
デザートにバニラとチョコのアイスもいただきました。
おわりに
「プラド美術館」は、名画が集まる世界でも屈指の美術館でした。
ディエゴ・ベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」や、フランシスコ・デ・ゴヤの「着衣のマハ」、「裸のマハ」、エル・グレコの「胸に手を置く騎士の肖像」など、三大巨匠の傑作を鑑賞することができました。
ベラスケスの「ラス・メニーナス」は、世界三大美術館とも言われるプラド美術館でも最も有名な作品で、ピカソもこの絵をオマージュしており、バルセロナのピカソ美術館にピカソ版「ラス・メニーナス」が展示されているそうです。
「プラド美術館」のすぐ近くには、広大な緑が広がる「レティーロ公園」があり、美術館のような美しい公園も楽しむことができました。
スペインの首都・マドリードにある世界三大美術館「プラド美術館」で、三大巨匠「ベラスケス」、「ゴヤ」、「エル・グレコ」の作品を鑑賞して、美しい絵画の世界に誘われてみてはいかがでしょうか。
information
- 住所
- Paseo del Prado, s/n, 28014 Madrid, Spain (GoogleMap)
- アクセス
- 地下鉄2号線「バンコ・デ・エスパーニャ(Banco De Espana)駅」、または地下鉄1号線「アトーチャ(Atocha)駅」より徒歩10分
- 営業時間
- 【月曜~土曜】10:00~20:00
【日曜・祝日】10:00~19:00 - 休館日
- 1月1日、5月1日、12月25日
- 入館料
- 【大人】15ユーロ
【シニア(65歳以上)】7.5ユーロ
【子供(18歳以下)】無料
月~土曜18~20時、日曜・祝日17~19時は入場無料 - 公式HP
- http://www.museodelprado.es/
- 住所
- Plaza de la Independencia, 7, 28001 Madrid, Spain (GoogleMap)
- アクセス
- 地下鉄2号線「レティーロ(Retiro)駅」より徒歩1分
- 開園時間
- 【4月~9月】6:00~0:00
【10月〜3月】6:00~22:00 - 公式HP
- https://www.esmadrid.com/ja/kankoujouhou/parque-del-retiro
- 住所
- Calle de Alburquerque, 35, 28010 Madrid, Spain (GoogleMap)
- アクセス
- 地下鉄1号線・4号線「ビルバオ(Bilbao)駅」より徒歩1分
- 営業時間
- 【月~土】7:30~13:00
- 公式HP
- http://www.restaurantelatahonadealburquerque.es/