「竜神大吊橋」は、茨城県常陸太田市の奥久慈県立自然公園内にある竜神峡に架かる歩行者専用吊橋です。
V字形の美しい渓谷の中を流れる竜神川をせき止めた竜神ダムの上に架けられ、橋の長さは375mで、歩行者専用の橋として日本最大級の長さを誇ります。
地上高100mの橋上からダム湖面に向かってバンジージャンプする竜神バンジーも有名で、紅葉の名所としても知られています。
今回はそんな「竜神大吊橋」におでかけしてきました!
色とりどりの鯉のぼりが舞う「竜神大吊橋」
茨城百景の一つにも選ばれている竜神峡に架かる「竜神大吊橋」は、1994年に開通し、2006年に大分県の九重”夢”大吊橋が完成するまでは、日本一の歩行者専用吊橋でした。
2015年には静岡県三島市に三島スカイウォークもでき、本州一の長さではなくなりましたが、歩行者専用として日本三大吊り橋のひとつとして、多くの観光客が訪れます。
4月中旬〜5月中旬には「竜神峡 鯉のぼりまつり」、8月上旬〜中旬には「竜神峡 灯ろうまつり」、11月上旬〜下旬には「竜神峡 紅葉まつり」、2月1日〜末日には「常陸太田蕎麦まつり」と四季折々のイベントが開催されています。
茨城県常陸太田市の「竜神大吊橋」に来ました。
駐車場から坂道を歩いていきます。
美しいピンク色の牡丹桜が綺麗に咲いています。
小さな鯉のぼりがありました。
さらに進むと空を泳ぐたくさんの鯉のぼりが見えてきました。
対岸まで繋がったワイヤーに無数の鯉のぼりがぶら下がっています。
竜神峡に架かる「竜神大吊橋」も見えます。
一直線に延びたとても長い吊り橋です。
青・赤・黄と鮮やかな色の鯉のぼりが気持ち良さそうに空を舞っています。
「竜神大吊橋」と鯉のぼりを背景に写せる写真撮影ポイントです。
新緑の渓谷にカラフルな鯉のぼりが映えて、素晴らしい景色です。
鯉のぼりが連なる坂道を上っていきます。
水府村は、自然の地形を利用して林業、畜産と同時に、米、こんにゃく、しいたけ、ぶどう、山菜、タバコの葉、そば粉作りなどの地場産業で栄えてきましたが、過疎化が続き、産業活動が停滞し、地域の活性化が切望される中で、観光資源を十分に生かした魅力ある「観光都市”水府村”」に再生し、水府村産業の復興を促進していくことを目的とした事業として「竜神大吊橋」が作られたそうです。
「竜神大吊橋」の通行料金は、大人310円、小人(小・中学生)210円です。
吊り橋の入口の近くに竜神の像がありました。
「歓迎ようこそ竜神大吊橋へ」と書かれた横断幕がかけられています。
吊橋の入口には、大きな主塔がそびえ立っています。
吊橋の命綱・主塔は、ケーブルを支える鉄塔で、約35mの大きさで、作業時は19分割して現場に運び込まれたそうです。
箱型断面の強い力に耐える構造となっており、竜神峡にちなんで「竜」をかたどっており、この橋を美しい象徴的なものにしているそうです。
料金所で通行券を購入し、橋長375m、幅員3mの「竜神大吊橋」を渡っていきます。
吊り橋と並んでたくさんの鯉のぼりが連なっています。
吊り橋の両側に鯉のぼりが気持ち良さそうに泳いでいます。
吊り橋の入口を振り返ると、竜神の絵が描かれたアンカレイジが見えます。
アンカレイジとは、吊り橋のメインケーブルを固定させる為の巨大なコンクリートブロックの事で、竜神大吊橋のアンカレイジは、1本1,100トンにもおよぶケーブルの張力を支えているそうです。
ケーブル張力は、コンクリート中に埋め込まれたケーブルアンカーフレームを介してアンカレイジに伝えられ、自重により抵抗が生じ、このため、アンカレイジは岩盤に密着されるるそうです。
2基合わせて約5,000立方メートルのコンクリートが使用されているそうです。
竜神湖の上を鯉のぼりが優雅に泳いでいます。
吊り橋の右手には竜神ダムの水門が見えます。
竜神ダムは、昭和30年代から40年代にかけて、山田川流域において連続して洪水が発生したことを受けて建設されたダムで、久慈川水系山田川の支流・竜神川をせき止めて作られたダムです。
渓谷の上を泳ぐ鮮やかな鯉のぼりが美しいです。
吊り橋の出口に近づくと、もう一つのアンカレイジが見えてきました。
こちらにも迫力のある龍の絵が大きく描かれています。
高々とそびえる主塔が舞い上がる竜のようです。
吊り橋を渡ると竜神大吊橋のシンボル「竜神カリヨン」がありました。
「木精の鐘」(もりのかね)というカリヨン施設で、愛・希望・幸福の3種類の澄んだ音色が竜神峡にこだまするそうです。
愛の鐘は2人でボタンを押さないとならないため、カップルに人気があり、ここの愛の鐘を鳴らすと幸福になるそうです。
「木精の鐘」の案内板があります。
カリヨン施設は、竜神峡の山々に鳴り響く鐘の音を、森の精(森の小人)が集まって聴く音楽会をイメージして名付けられたそうです。
「愛の鐘」・「幸福の鐘」・「希望の鐘」と3種類の音色が楽しめて記念のカードも出てくるそうです。
「愛の鐘」はピンク色、「幸福の鐘」は黄色、「希望の鐘」は緑色に光るようで、料金は1回100円です。
青い主塔は、近くで見るととても太く大きいことが分かります。
一度に3,500人もの人が渡っても大丈夫なように、厳しい自然条件にも耐えるよう安全性に十分な注意をはらい、細心の工夫が凝らされているそうです。
工法として、桁は横風にも強いトラスト補剛型式、ケーブルはパラレルワイヤーケーブルを採用した本格的な長大吊橋の形式で、架橋地点附近で100年に1回程度吹くと想定される30メートル/秒(10分間平均風速)の状況下で安全な設計になっているそうです。
「竜神峡ハイキングコース」の案内板がありました。
奥久慈の豊かな自然の中でハイキングを楽しめ、竜神大吊橋から竜神峡をめぐり、亀ヶ淵に至るコースや、日光いろは坂にも似た武生林道など様々な表情を味わえるそうです。
対岸からは、「竜神大吊橋」の中央にあるバンジージャンプを見ることができます。
100mの高さから飛ぶバンジージャンプは、年齢15歳以上、体重制限40〜105kg、料金16,000円(1回目)で、毎年1万人以上のジャンパーが挑んでいるそうです。
バンジージャンプは、メラネシアにあるバヌアツ共和国・ペンテコスト島で昔から行われていた「ナゴール」と呼ばれる成人の儀式から生まれたそうで、高さ20~30mのやぐらから、植物の「つた」を足首に巻きつけて飛び降りるそうです。
吊り橋の生命でもある補剛桁を支えるケーブルは、直径5ミリメートル、1本の張力が約3トンのピアノ線を1,159本束ねて作る、直径約19cmのケーブルを2本使用しており、このケーブル1本が、約1,000tもの重さに耐えているそうです。
竜と鯉のぼりの競演です。
「茨城県北ジオパーク構想」の案内板がありました。
茨城県北ジオパークジオサイトの中の棚倉断層ジオサイトが紹介されています。
竜神峡周辺一帯は昔の海底火山によって形成されており、海底で急激に冷やされ砕けた溶岩の断片を観察できるそうです。
武正林道の奥では、偽枕状溶岩と呼ばれる溶岩の断片が見られ、放射状の割れ目やガラス質の膜など急激に冷やされたことによる構造が見られるそうです。
棚倉断層は日本を2つに分ける昔の大断層で、竜神峡西側の道路に沿ってほぼ一直線(北北西ー南南東)に走っており、断層の走っている場所は断層が動いたことによる摩擦で岩石が砕け、粘土状になっているそうです。
「竜神大吊橋」の対岸から折り返して戻ってきました。
「若ガエル石」があります。
この石をなでると若返るといわれており、また無事に帰ることを願ってくれるそうです。
「第30回竜神峡 鯉のぼりまつり」と書かれた看板がありました。
鯉のぼりまつりは、4月27日(土)〜5月12日(日)まで行われ、こどもの日には、中学生以下のお子様は渡橋料無料で、さらにサプライズイベントも開催されるそうです。
会場では春の味覚の山菜を置く物産市、こども達に大人気の「おいでなんしょ!なんだっぺクイズ」、フォトコンテストも開催されるそうです。
「水府物産センター」1階は、特産品の販売所になっており、全国でも水府地区の1ヶ所でしか製造されていないという「凍みこんにゃく」をはじめ、そばやうどん、梅ドリンク、まんじゅうなどの食品から、地元の方々が手作りした温かみのある工芸品まで、水府地区自慢の特産品が並んでいるそうです。
2階は、展望レストラン「森の風」となっており、吊り橋や雄大な自然を望みながら、素揚げにした野菜やきのこがたっぷり入った森の野菜カレー、水府地区ならではのそばやうどんなど、地元産の食材をふんだんに使った料理が楽しめるそうです。
「龍の縁起物」が飾られています。
赤い立派な龍は、現代鍛治工房の鈴尾康樹さんの作品です。
駐車場の前に並ぶ「豆助」という露店のようなお店に来ました。
そば、うどん、唐揚げ、クレープ、大判焼き、ソフトクリーム、タピオカドリンクなどを販売しています。
「さくら餅ソフトクリーム」(300円)をいただきました。
こちらは、「水府物産センター」の前にあるお店で買った「茨城メロンミックスソフトクリーム」(300円)です。
「竜神大吊橋」と鯉のぼりを眺めながら美味しくいただきました。
おわりに
「竜神大吊橋」は、風光明媚な竜神峡に架かる長さ375mの日本最大級の吊り橋でした。
竜神ダムの100m上空に架けられた吊り橋の上からの眺めは絶景で、竜神川の浸食作用によってできたV字形の渓谷が美しく、大自然のパノラマが広がっていました。
春の「竜神峡 鯉のぼりまつり」が開催されており、新緑の渓谷を群遊する鮮やかな鯉のぼりは華やかで素晴らしい景色でした。
吊り橋の中央付近には日本最大級のバンジージャンプもあり、竜神大吊橋から竜神湖、亀ヶ淵、武生林道を巡るハイキングコースも整備されています。
原生林を舞い上がる竜のような「竜神大吊橋」の上から、竜神峡の四季折々の素晴らしい景色を眺めてみてはいかがでしょうか。
information
竜神大吊橋
- 住所
- 茨城県常陸太田市天下野町2133-6 (GoogleMap)
- アクセス
- JR水郡線「常陸太田駅」より茨城交通バスで約40分「竜神大吊橋入口」下車、徒歩約25分
常磐自動車道「日立南太田IC」より車で約40分 - 営業時間
- 8:30~17:00(受付は16:40まで)
- 定休日
- なし
- 渡橋料金
- 大人:310円
小人(小・中学生):210円 - 公式HP
- https://ohtsuribashi.ryujinkyo.jp/