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「永観堂」の闇夜に浮かぶ幽玄な極楽橋と逆さ紅葉

「永観堂」は、数ある京都紅葉名所の中でも、古今和歌集に「モミジの永観堂」と詠まれるほどの紅葉の美しさで知られるお寺です。
約3000本のイロハモミジやオオモミジが池泉回遊式庭園を艶やかに彩り、重要文化財の「みかえり阿弥陀如来」や国宝の「絹本着色山越阿弥陀図」など数多くの文化財が伝えられています。
秋の夜間拝観では境内がライトアップされ、中央にある放生池や紅葉など、昼とは異なる幽玄な紅葉を楽しめます。
今回はそんな「永観堂」におでかけしてきました!

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静謐な紅葉が揺らめく昼の「永観堂」

「永観堂」は、正しくは「禅林寺」といい浄土宗西山禅林寺派の総本山の寺院です。
弘法大師の弟子・真紹が真言宗の道場として創建したのが起源で、永観堂と呼ばれる由来は、永観(ようかん)律師が念佛を弘め、さらに慈善活動として境内に梅の木や浴室を設けて病人救済に尽くし、その功績を讃えたことから、「永観堂」と呼ばれるようになったそうです。
ご本尊は、本堂(阿弥陀堂)内にある「みかえり阿弥陀如来」で、お顔を斜め後ろに向けた姿で知られ、国の重要文化財に指定されており、穏やかで優しい微笑は、自分自身をかえりみて、正しく前へ進む姿を表しているそうです。

「永観堂」に来ました。

総門に紅いもみじがかかり、奥には立派な松の木が見えます。

総門をくぐると、鮮やかに色づいたもみじがたくさんあります。

赤や黄色のグラデーションの紅葉です。

真っ赤に染まった紅葉はとても美しいです。

東山の緑と青空を背景に紅葉が鮮やかに彩っています。

「永観堂」の紅葉の美しさは、平安時代の「古今和歌集」で「モミジの永観堂」と詠まれるほどで、秋の紅葉の名所です。

ライトアップされた紅葉が真紅に煌めく夜の「永観堂」

「永観堂」では、毎年紅葉の時期の11月上旬から12月上旬にかけて夜間拝観を行なっており、境内がライトアップされます。
垣のようにはりめぐらされた岩に紅葉が映える様子は、「岩垣もみじ」と呼ばれ、ライトアップ時に東山を背に浮かぶ多宝塔や放生池などの景色は、息をのむ美しさです。

夜の「永観堂」に来ました。

「永観堂」と刻まれた石碑があります。

「永観堂」の説明板もあります。
中興の祖・永観(ようかん)律師にちなみ、広く「永観堂」と呼ばれているそうです。
平安後期の1082年2月15日未明、念仏を唱えながら本堂を歩く修行をしていた永観の前に本尊の阿弥陀如来が一緒に加わり、夢ではないかと立ち止まる永観に阿弥陀如来は後ろを振り返り「永観、遅し」と発したと伝えられており、その姿を仏像にした「阿弥陀如来立像」(重要文化財)は、首を左に向けて微笑みを湛える珍しい逸品で「みかえり阿弥陀」として親しまれているそうです。

「秋の特別寺宝展」も開催しているようです。
総門をくぐって中に入ります。

ライトアップされた紅葉が広がっています。

中門の前から駐車場に向かって、夜間拝観券を購入するために並ぶ列が長く伸びています。

列に並んで待っていると、「となりのトトロ」のような形をした大きな木があるのを見つけました。

列が進み、中門の前まで来ると鮮やかな紅葉が目に飛び込んで来ます。

中門の前で夜間拝観券(600円)を購入しました。

中門の前には白い狛犬が鎮座しています。

中門をくぐります。

境内にはたくさんの人が拝観しています。
正面に「鶴寿台」が見えます。
昼の拝観なら、鶴寿台奥の大玄関から屋内にも入れるそうです。

ライトアップされたもみじが綺麗です。

「浴室」がありました。
永観(ようかん)律師が、慈善活動として浴室を設けて病人救済を行なっていたそうです。

もみじの下でライトが綺麗に光っています。

ライトアップされたもみじが赤く輝いて、とても綺麗です。

石碑が紅い紅葉で覆われています。

大きな石灯篭にも明かりが灯されています。

立派な石碑がライトアアップされて浮かび上がっています。

「御影堂」がありました。
1912年(大正元年)に完成した総ケヤキ造の仏堂です。
「赤・白・黄・紫・緑」の大きな「五色幕」が掛けられています。

「御影堂」は、宗祖法然を祀る堂で、本尊を安置する阿弥陀堂よりも規模が大きく山内最大の建物だそうです。

ライトアップされた紅葉を眺めながら「本堂」方面へ歩いていきます。

「龍吐水」と呼ばれる手水舎がありました。
龍の口から水が流れています。

「やすらぎ観音」がありました。
ライトアップで浮かび上がり、優しく微笑んでいます。

紅葉で覆われた参道を進んでいきます。

階段を上ると「阿弥陀堂」がありました。
ご本尊「みかえり阿弥陀」が祀られる本堂で、慶長12年(1607年)に大阪から移築されたものだそうです。
堂内は極彩色で格天井には「百花」が描かれており、両端の長方形の部分だけは白く塗った「散り蓮華」となっているそうです。
夜間拝観の際にも靴を脱いで本堂の中に入って、「みかえり阿弥陀」を見ることができます。

「阿弥陀堂」の極彩色とライトアップされた紅葉が美しいです。

「阿弥陀堂」(京都府指定文化財)の説明板がありました。
慶長2年(1597年)に大阪四天王寺に建立された曼荼羅堂を10年後の慶長12年(1607年)に、豊臣秀頼の命により当山に移築され阿弥陀堂としたものだそうです。
正面七間側面六間西向きの一重入母屋造り本瓦葺きで正面三間の向拝があり、当時極楽の荘厳を表した内外の彩色は素晴らしいものであり、中央にはみかえり阿弥陀如来、南脇壇には豊国神像、北脇壇には當麻曼荼羅を掛けていたと伝えられているそうです。
この本尊は像高77cmで、「みかえり阿弥陀如来」と昔から人々に親しまれており、制作年代はおよそ平安時代末期と考えられているそうです。

素晴らしい紅葉を眺めながら参道の階段を下りていきます。

参道にはたくさんの人がいます

「極楽橋」に来ました。
放生池の中央付近には「錦雲橋」が見えます。

ライトアップされた「錦雲橋」が放生池の水に反射して映り、とても綺麗です。

「極楽橋」を渡りました。
放生池の周りは、美しい「錦雲橋」を見ようとする人で賑わっています。

放生池の周りを歩いて「錦雲橋」に近づいて来ました。

「錦雲橋」は、放生池の中央に位置する弁天島にある弁天社へ繋がっています。
弁天社は、1866年(慶応2年)に江戸時代後期の尼僧で、歌人・大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)の寄進によって建立され、桟瓦葺の一間社流造だそうです。

「錦雲橋」の前には、「弁財天」と書かれた鳥居もあります。

「錦雲橋」を囲む紅い紅葉がとても綺麗です。

放生池の近くには「みかえり茶屋」という茶店もあり、紅葉を眺めながら手作りのわらびもちや甘酒などを頂くこともできます。

放生池にライトアップされた紅葉が反射して映り、逆さ紅葉が見えます。

紅葉と池が調和した優美な景観です。

少し高いところには「多宝塔」が青白く輝いています。

「多宝塔」は、上部は円形、下部は方形の二重塔で、五重塔のように屋根の上に伸びる心柱に九輪と水煙がついており、ここから京都の町並みが一望できるそうです。

「多宝塔」と放生池と紅葉が見事にライトアップされ、幻想的な景観です。

放生池の周りは幽玄で素晴らしい眺めです。

暗闇に真っ赤なもみじが明るく照らされています。

黄色のもみじもあります。

放生池の周りを歩いて「夢庵」という見晴台のようなところに来ました。
ここからの景色を見ようとたくさんの人が並んでいたので並んでみました。

「夢庵」からの景色は、少し高いところから放生池と「錦雲橋」が見渡せます。
ライトアップされた紅葉が赤く浮かび上がり、とても美しい景色です。

ライトアップされたもみじを眺めながら「永観堂」を後にしました。

おわりに

「永観堂」は、平安の昔から「モミジの永観堂」と言われ、京都でも屈指の紅葉の名所でした。
東山を背にして立つ多宝塔や水鏡に紅葉を映す放生池、池泉回遊式庭園を彩る紅いもみじが豪華絢爛にライトアップされ、幻想的な景観を楽しむことができました。
極彩色の阿弥陀堂内には、重文に指定されているご本尊「みかえり阿弥陀立像」が左肩越しに振り返る珍しいお姿で微笑んでいました。
昼間に拝観すれば、急こう配の階段状の廊下で、まるで龍の体内を歩いているような不思議な気分が味わえる「臥龍廊」(がりゅうろう)や、応仁の乱で奇跡的に焼けずに残った「火除けの阿弥陀」(瑞紫殿)なども見る事ができるそうです。
京都屈指の紅葉名所「モミジの永観堂」で、極楽橋と逆さ紅葉が美しい幽玄な風景に身を委ねてみてはいかがでしょうか。

information

永観堂(聖衆来迎山 禅林寺)

住所
京都府京都市左京区永観堂町48 (GoogleMap)
アクセス
JR「京都」駅より市バスで「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約3分
地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩約15分
拝観時間
9:00~17:00(受付終了16:00)
拝観料金
600円(秋の寺宝展期間中は1,000円)
小・中・高生:400円(秋の寺宝展期間中は600円)
ライトアップ期間
2018年11月3日(土・祝)~12月2日(日)
ライトアップ時間
17:30~21:00(受付終了20:30)
ライトアップ拝観料金
600円
公式HP
http://www.eikando.or.jp/
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