「十分」は、台北郊外のローカル線「平渓線」沿線にあるランタン(天燈)飛ばしで有名な街です。
ランタンに願い事を書いて飛ばすと願いが叶うと言われており、古くから神への祈りを込めて空へと飛ばす伝統で、現在は1年を通してランタン飛ばしを体験する事ができます。
「十分老街」の商店街の真ん中を列車が走る風景も有名で、近くには「台湾のナイアガラ」と言われる「十分瀑布」もあり、見所がたくさんあります。
今回はそんな台湾の「十分」におでかけしてきました!
ディーゼル車のローカル線「平渓線」に乗って「十分」へ
「十分」へは、ローカル線「平渓線」の列車に乗って行く事ができます。
台北からは、台湾鉄道で約1時間、「九份」の最寄駅でもある瑞芳駅まで行き、瑞芳駅から「平渓線」に乗り換え、約30分で十分駅です。
瑞芳駅に来ました。
ローカル線「平渓線」の切符を購入します。
「平渓線」のホームには、ランタンの飾りがあったり、ポスターが貼ってあります。
平渓線は、かつては近隣で採掘された石炭の運搬や炭鉱で働く労働者たちの足として利用されていたそうで、電化されていないため電線はなく、ディーゼル車が使われているそうです。
「平渓線」沿線の見所が紹介されたマップがありました。
猫がたくさんいるという猫村「猴硐」も気になります。
レトロな列車「平渓線」が来ました。
年季の入った黄色の車両です。
列車に乗ると、アーチ型の通路があって新鮮な感じです。
大華駅を過ぎると、右手に「基隆河」が見えてきました。
この辺りには「台湾のナイアガラ」と言われる「十分瀑布」があります。
「十分瀑布」は、十分駅から徒歩30分くらいの場所にあり、幅約40m、落差約20mの滝で、周囲が濃い緑に囲まれ、自然溢れる観光スポットです。
吊り橋も見えます。
瑞芳駅から30分ほどで、十分駅に到着しました。
レトロな列車につい写真を撮りたくなります。
緑に囲まれたのどかな場所です。
近くに吊り橋も見えます。
線路の向こうには、歴史を感じさせる建物が並んでいます。
反対車線に瑞芳駅行きの列車が止まっています。
十分の観光マップがありました。
「十分瀑布」や吊り橋も載っています。
列車が走る小さな商店街「十分老街」でランタン飛ばしを体験
ランタンは、熱気球の一種で、かつては遠くにいる人に情報を知らせる通信手段として使用されていたそうです。
十分では、毎年元宵節の日に「平渓天燈節」というお祭りが開催され、1000個以上の願いを込めたランタンが夜空へ舞い上がります。
たくさんの輝くランタンが舞い上がっていく様子は、ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」の一場面のようで、その幻想的な光景を見るために世界中から観光客が訪れ、2013年にCNNが発表した「世界の参加価値のあるイベント」の8位に選出されたこともあるそうです。
線路沿いを一度列車で通り過ぎた「十分老街」方面へ進んで行きます。
線路の向こう側には、吊り橋があります。
少し歩くとランタン屋や工芸品などの土産物屋が並ぶ「十分老街」に着きました。
先ほどホームに停車していた列車がゆっくりと走って来ます。
平渓線の線路を挟むようにお店が連なっており、商店街の目の前を列車が通り過ぎて行きます。
カラフルな花の絵が描かれた車両もあり、とても綺麗です。
列車が通り過ぎると、線路の上からランタン飛ばしが始まりました。
思い思いの願いが書かれたランタンが次々と空へ舞い上がって行きます。
あっという間に空高く上っていきます。
空へ舞い上がるランタンは、とても幻想的で見入ってしまいます。
線路の上から、またランタンが舞い上がっていきます。
夜空に舞い上がる輝くランタンも見てみたくなります。
毎年、元宵節の日に開催される「平渓天燈節」というお祭りでは、夕暮れ時から約30分毎に約200個のランタンが10回飛ばされ、夜空に舞い上がるランタンの幻想的な光景が見られるそうです。
2019年の元宵節は2月19日(火)だそうで、2017年は秋の中秋節(10月4日)にも開催されているそうです。
今度は4色のカラフルなランタンが飛んでいきます。
列車の本数が少ないので、列車が来ない時間は線路の上を自由に歩くことができます。
「吉祥天燈」というお店でランタン飛ばしを体験してみる事にしました。
願い事に応じてランタンの色が違っているようで、日本語で説明が書かれています。
赤色(健康無事)、黄色(金運・福)、青色(仕事・事業順調)、紫色(学業成就・合格祈願)、白色(厄除け・開運・家内安全・商売繁盛)、オレンジ色(恋愛運)、緑色(開運順調)、桃色(人間関係・縁結び)、桜(幸福)の9色あります。
1色のランタンで150台湾ドル、4面が異なる色の4色は200台湾ドルです。
赤色のランタンの4面に墨汁と筆で願いを書き、お店の方の誘導でランタンを飛ばします。
小雨が振り、風も吹き始めましたが、ランタンは無事空に舞い上がってくれました。
お店の方にスマホを渡すと、ランタンを上げる瞬間などの写真をたくさん撮ってくれます。
商店街を歩いていると、ランタンの形をした照明を見つけました。
花の絵が描かれたランタンが綺麗に輝いています。
今度は瑞芳駅方面から列車が来ました。
列車が来るときは、ランタン飛ばしのお店の方が大きな声で線路から離れるように促してくれます。
風が強くなり、お店の屋根にひっかかってしまうランタンもありましたが、そんな厳しい条件の中でも、紙でできたランタンがランタンの火で燃えないよう必死に格闘する店員さんに、ランタン飛ばしのプロの技を感じました。
十分駅の目の前に架かる「静安吊橋」へ
十分駅から見えた吊り橋に行ってみることにしました。
「十分老街」から「静安吊橋」に向かって歩いて行きます。
吊り橋の近くのブロック塀のような所に、「十分幸福」「十分寮 天燈 発現地」 と書かれていました。
すぐ近くに小さな十分駅が見えます。
こちらには、吊り橋とランタンの絵が描かれています。
十分の簡単なマップがありました。
「十分瀑布」の近くには、「四廣潭吊橋」と「観瀑吊橋」という2つの吊り橋があるようです。
「静安吊橋」の前に来ました。
基隆河に架かる大きな吊り橋です。
「静安吊橋」を渡っていきます。
橋の上からは、十分の山々の風景を見渡すことができます。
吊り橋を渡って向こう岸に来ました。
吊り橋の長さは128mあり、周辺の吊り橋では一番大きいそうです。
こちら側には特に何もなさそうなので、吊り橋を折り返して戻ります。
「十分老街」で飛ばされたランタンが空高く浮かんでいるのが見えます。
最終的に落ちきたランタンは、枠の針金部分は現地の人が拾って業者に売り、紙の部分は自然に帰るそうです。
揺れる吊り橋を進んでいきます。
再び「十分老街」に戻って来ました。
いくつもの願いを託されたランタンが天へ舞い上がり続けています。
帰りは、平渓線で瑞芳駅まで行き、瑞芳駅からは台湾鉄道で台北方面へと向かいます。
コンビニで買った「ジュンスイホ」という美味しいドリンクを飲みながら、台湾の楽しい思い出を巡らせ、のどかな景色を眺めて帰りました。
台北松山空港から雲海を抜けて羽田空港へ
台北、台南、高雄と巡った楽しい台湾旅行もとうとう終わりに近づいて来ました。
台北松山空港からエバー航空に乗って羽田空港へと帰ります。
台北上空へと飛行機が旋回しながら上昇して行きます。
雲を抜けると綺麗な青空が広がっていました。
地上の曇り空が嘘のような青々しい空です。
雲海の上を滑るように進んで行きます。
しばらくすると機内食が配られました。
鶏肉のクリーム煮をいただきました。
選べるもう一つの方は、豚肉の料理です。
約3時間50分で羽田空港に上空に到着です。
地上には東京の夜景がキラキラと輝いていました。
おわりに
「十分」は、緑豊かな山あいの小さな街で、レトロな街並みの間を縫うように列車が通り抜け、大きなランタンが次々と空へ舞い上がる台湾有数の観光地でした。
ローカル線「平渓線」で行く、のどかな風景に囲まれた列車の旅ものんびりとした楽しい時間でした。
こじんまりとした「十分老街」の商店街の中心に延びる線路の上から、願いを込めたランタンを飛ばす体験もできました。
思い思いの願いが書かれたランタンは、十分の大空にどこまでも高く舞い上がっていきました。
十分駅から徒歩30分ほどで行ける台湾のナイアガラ「十分瀑布」も有名なので、時間があれば行ってみたい観光スポットです。
「平渓天燈節」というお祭りの日には、願い事が書かれたランタンが夜空に一斉に舞い上がり、「ラプンツェル」の印象的なシーンのような光景になるそうなので、そんな幻想的な煌めくランタンを見られるお祭りにも参加してみたいですね。
information
十分
- 住所
- 台湾新北市平渓区 (GoogleMap)
- アクセス
- 台湾鉄道「瑞芳」駅で台鉄平渓線に乗り換え「十分」まで約30分
- 公式HP
- https://tour.ntpc.gov.tw/ja-jp/Tour/Detail?wnd_id=111&type=76&id=a133e03c5a57d803