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台湾最古の町「安平」のガジュマルに覆われた廃墟「安平樹屋」

台南の中心地から少し離れたところにある「安平」は、台湾で最も歴史の古い町で、昔懐かしい街並みや古跡を楽しむことができます。
「安平」エリアには、「安平古堡」や「億載金城」など有名な史跡のほか、「徳記洋行」や「安平樹屋」など歴史的なスポットが豊富にあり、台南で最もノスタルジックな街と言われています。
今回はそんな台湾の「安平」におでかけしてきました!

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「高雄」から台湾鉄道で台湾第4の都市「台南」へ

「高雄」から台湾鉄道の自強号(特急)に乗って、台湾の南西部の海岸に位置する都市「台南」へ移動します。
「台南」は、鄭成功がオランダ軍を撃退して以来200年以上、台湾の中心地として栄えた古都です。

高雄駅に来ました。
現在の駅舎は新駅舎ができるまでの臨時駅舎だそうです。

高雄の駅前は交通量も多く、大規模な工事が行われ、今も発展し続けているようです。

台湾鉄道の自強号(特急)に乗って、台南に向かいます。

高雄駅から台南駅までは、台湾鉄道で36分(106台湾ドル)で行けます。

台南駅に到着しました。
駅の後ろにそびえる高層ビルは、シャングリラホテルです。
ここからタクシーで「安平」へ向かいます。

豪華絢爛な媽祖廟「安平開台天后宮」

「安平開台天后宮」は、1668年に建立された、媽祖(天上聖母)を主祀とする廟です。
鄭成功が大陸から運んできた3つの媽祖像を、ゼーランディア城(安平古堡)内に祀ったのが始まりとされており、安平の信仰の中心となっているそうです。

「安平開台天后宮」の門の前に到着しました。

龍や鳳凰が躍動する彫刻が立派な大きな門です。

「安平開台天后宮」の前の広場には、屋台がたくさん出ています。

この廟は、聖母安潤宮とも呼ばれているそうです。

細かい彫刻に圧倒されます。

廟の中に入ってみます。

天井は精巧な彫刻が並び、煌びやかな黄金色に輝いています。

媽祖の手前には、台湾の国民的英雄、鄭成功を神格化した、開台聖王が祀られており、媽祖の左右には、四海龍王と水仙尊王が祀られているそうです。

天井のあらゆる所に小さな彫刻像のようなものが、彫られています。

大きな香炉に長い線香がたくさんお供えされていました。

台湾最古の城跡「安平古堡」

「安平古堡」は、1624年にオランダ人によって建造され、ゼーランディア城(熱蘭遮城)と呼ばれていた軍事要塞の跡です。
台湾の英雄・鄭成功がオランダ人の手から台湾を奪回し、現在の「安平古堡」と改称したそうです。
安平古堡古蹟記念館や、展望台が観光用に建てられ、現存する台湾最古の城として国の一級古蹟にも指定されています。

「安平古堡」に来ました。

赤レンガの城壁の向こうに展望台が見えます。

「鄭成功」の像も見えます。

「熱蘭遮城遺址 国姓爺建王城奉明朔之地」と書かれた石碑がありました。
「安平古堡」は、台灣城、稱王城、赤崁城、安平城などとも呼ばれ、完成当初は、奧倫治城、熱蘭遮城などとも呼ばれていたそうです。
国姓爺というのは、鄭成功の事だそうです。

立派なガジュマルの木もあります。

風情のある色褪せた赤レンガの外城の壁跡が、70m余り続いています。

ノスタルジックな街並みが広がる「安平老街」

「安平老街」は、ゼーランディア城(安平古堡)の城下町として作られた、台湾で最も古いとされる街並みです。
延平街、効忠街、中興街の三つの老街からなり、中でも延平街は台湾で最初に誕生した通りとして有名で、屋台や露店が並び、たくさんの観光客で賑わいます。

大通りの安平路と交わる古堡街には、屋台が並び、たくさんの人で賑わっています。

安平路を歩いて行くと、「安平観音亭」が見えてきました。

「安平観音亭」には、観音菩薩様が祀られており、1826年に安平の漁民が中国から香を分けてもらい建立したそうです。

観音街の路地に、かわいいイラストを見つけました。
壁にほのぼのとした絵が描かれています。

延平街に出ました。
「周龍殿」が見えます。

延平街には、屋台がひしめき、たくさんの人が行き交って賑わっています。

頭上には、赤い提灯がぶら下がっています。

「老街美食館」という看板が見えます。
牡蠣オムレツや蝦巻スープが食べられる食堂のようです。

延平街の路地に入ってみます。
「許記」という臭豆腐のお店があり、奥に「文朱殿」が見えます。

屋台で1本10台湾ドルの「旗魚黒輪」というのを買ってみました。
看板にはカジキの絵が書いてあります。

カジキの練り物を揚げたもので、出来立てアツアツです。

「秀琴歌劇団」のステージがありました。
台湾オペラのようで、中国式衣裳を着た人が賑やかな音楽に乗せて演じているようです。

洋風の優美な佇まいの「徳記洋行」

「徳記洋行」は、1858年に建てられた元イギリス貿易会社の建物で、当時、怡記、和記、東興、唻記と並んで安平の五大洋行の一つでした。
五つの貿易会社の建築物のうち、現存するのは「徳記洋行」と「東興洋行」のみで、現在は「台湾開拓史料蠟像館」という資料館となっており、蝋人形を使って、安平の歴史や生活の様子が展示されています。

古堡街を歩いて、安平路まで来ました。

さらに進むと「朱玖瑩故居」と書かれた門がありました。
「朱玖瑩故居」は、政治家兼書道家の記念館のようです。
ここが「徳記洋行」の入り口になっているようです。

入り口の前に、安平区の観光マップがありました。

少し進むと「徳記洋行」の白亜の建物があります。
参観料(50台湾ドル)を払い、中に入ります。

「徳記洋行」の説明板があります。
正式名称は「原英商徳記洋行」というそうです。

アーチ型の回廊が美しい建物です。

建物の中に入ると、美しいデザインで廊下の壁に安平の年表が書かれています。

部屋には、台湾開拓時代の様子などが蝋人形を使って表現されています。

この部屋では、輸出商品が紹介されています。
蔗糖、茶葉、木材、獣皮、稲米の説明が書かれています。

これらの商品の造形物を手にとって、籠に入れたりできるようになっています。

大道具のようなパネルもありました。

天空の城ラピュタを彷彿とさせるツリーハウス「安平樹屋」

「安平樹屋」は、同じ敷地にある徳記洋行の倉庫跡で、ガジュマルで覆い尽くされた建物が人気のスポットです。
日本統治時代は大日本塩業株式会社安平出張所の倉庫とされていて、製塩会社が撤退後、建物は手付かずのまま放置され廃墟となり、1本のガジュマルの木が建物に沿うように少しづつ成長し、現在のような姿となったそうです。

「安平樹屋」に来ました。
赤レンガの倉庫にガジュマルの木が生い茂っています。

日本の写真家「川島小鳥」さんの写真展「愛の台南」が開催されているようです。

廃墟となったレンガ倉庫の中に入ると、天井はガジュマルの木によって突き破られているようで、ガジュマルが空高く伸びています。

壁がガジュマルの木で覆い尽くされています。

ガジュマルの力強い生命力を感じます。

たった1本のガジュマルの木が月日を経て成長していったそうです。

わずか70年あまりでこのような姿になったとは驚きです。

廃墟となった倉庫を飲み込むように絡みついています。

巨大なガジュマルは、ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」を思い起こさせます。

見学ルートが整備されており、階段で上にも行けるようになっています。

廃墟となったレンガ倉庫を覆い尽くすガジュマルは、ファンタジーの世界にいるような気分にさせてくれます。

ガジュマルの無数の気根がカーテンのように垂れ下がっています。

階段で上に上ってみました。

屋根を突き破る迫力のあるガジュマルが見えます。

ガジュマルの木の上には、ピョンピョンと走る姿がかわいいリスがいました。

木の上に作られた遊歩道を進んでいきます。

ガジュマルの幹が建物を覆い尽くしている光景がよく見えます。

たくさんの長い気根が垂れ下がり、ジャングルのようです。

遊歩道を下に下りていきます。

樹屋の端のブリッジ歩道を進んでいきます。

ブリッジ歩道の説明板のようなものがあります。

池には足踏み式水車が置かれており、観光客が足踏みして水車を動かしていました。

ブリッジ歩道の先の方まで来ました。

見晴らし台のようになっています。

離れたところから「安平樹屋」を眺められます。

先ほどの水車も見えます。

年表のようなものが書いてあります。

反対側を眺めると塩水渓の流れが見えます。
かつての五條港の運河の出口にあたる場所だそうです。

樹屋の方に戻って来ました。

ガジュマルの気根がいくつも地面に達し、幹のようになって支えています。

成長した気根はアスファルトやコンクリートなどを突き破る威力があるそうです。

敷地内に「樹屋珈琲」というかわいらしいカフェがありました。

正興街の「蝦尾家」とコラボしており、「蝦尾家」のソフトクリームが食べられるそうです。
「蝦尾家」は、台湾で人気のソフトクリーム専門店のようです。

「樹屋珈琲」では、黒糖カフェラテや自家製クッキー、レモンマドレーヌなどがあるようです。

「蝦尾家」のソフトクリームをいただきました。
濃厚でとても美味しかったです。

先ほど上から見下ろしていた建物の中を散策してみます。

壁に沿って垂れ下がった気根の樹皮が発達しています。

緑の苔が月日の流れを感じさせてくれます。

少し暗いエリアにはオレンジ色のライトがあります。

四方八方に伸びたガジュマルの幹が互いに絡み合っています。

「安平樹屋」は、2004年に保存のために大規模な修復と補強が行われたそうです。

廃墟を覆い尽くす巨大なガジュマルに自然の偉大さを感じさせられました。

おわりに

「安平」は、かつて台湾の首都であったことから、重要な史跡が点在するノスタルジックな街でした。
赤レンガの城壁が残る「安平古堡」、昔ながらの古い街並みが残る「安平老街」、洋風のアーチ式回廊で囲まれた「徳記洋行」、ガジュマルに覆い尽くされた廃墟「安平樹屋」など見所がたくさんある地区でした。
中でも「安平樹屋」は、観光地の格付けガイドとして有名なミシュラングリーンガイドでも2つ星を獲得しており、見逃せない観光スポットです。
ガジュマルの木が造り上げたラピュタの世界で、壮大な景観を堪能してみてはいかがでしょうか。

information

安平開台天后宮

住所
台湾台南市安平区国勝路33号 (GoogleMap)
アクセス
台湾鉄道「台南」駅より市バス2番で「安平古堡」下車
開放時間
4:30~22:00
公式HP
http://www.anping-matsu.org.tw/

安平古堡

住所
台湾台南市安平区国勝路82号 (GoogleMap)
アクセス
台湾鉄道「台南」駅より市バス2番で「安平古堡」下車
参観時間
8:30〜17:30
定休日
無休
参観料
一般:50元
学生:25元
公式HP
https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003119&id=147

安平老街

住所
台湾台南市延平街、効忠街、忠興街 (GoogleMap)
アクセス
台湾鉄道「台南」駅より市バス2番で「安平古堡」下車
公式HP
https://www.twtainan.net/ja-jp/Attractions/Detail/2712/%E5%AE%89%E5%B9%B3%E8%80%81%E8%A1%97-%E5%BB%B6%E5%B9%B3%E8%80%81%E8%A1%97-

安平樹屋/徳記洋行

住所
台湾台南市安平区古堡街106、108号 (GoogleMap)
アクセス
台湾鉄道「台南」駅より市バス2番で「安平古堡」下車、徒歩5分
参観時間
8:30〜17:30
定休日
無休
参観料
一般:50元
学生:25元
公式HP
https://www.twtainan.net/ja-jp/Attractions/Detail/2706/%E5%AE%89%E5%B9%B3%E6%A8%B9%E5%B1%8B
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