「臨水夫人媽廟」は、台南の廟が最も多いエリアである中西区にあり、婦女の守護神、臨水婦人「陳靖姑」を祀った廟です。
すぐ目の前には、オランダ支配から台湾を解放に導いた台湾の英雄である鄭成功を祀った「延平郡王祠」があります。
今回はそんな台湾の「臨水夫人媽廟」と「延平郡王祠」におでかけしてきました!
婦女の守護神として信仰されている「臨水夫人媽廟」
「臨水夫人媽廟」は、1736年に中国大陸の福建省出身の人々により建立された廟で、臨水婦人「陳靖姑」が祀られています。
臨水婦人は、順天聖母とも呼ばれ、婦女の守護神として信仰されており、安産や子供の成長などを祈願する女性を中心に多くの参拝客が訪れています。
「臨水夫人媽廟」に来ました。
真紅の美しい門です。
門をくぐって中に入ってみます。
頭上にはたくさんの提灯がぶら下がっています。
門を振り返ると、広場にある立派なガジュマルの木が見えます。
門と提灯の赤色とガジュマルの木の緑色のコントラストがとっても綺麗です。
廟の前にある大きな香炉には、線香がたくさんお供えされています。
廟には、カラフルな彫刻が彫られてます。
細かな彫刻がキラキラと金色に輝いています。
入り口には、龍の絵も描かれています。
廟の中に入っていきます。
「福徳正神」が祀られていました。
「福徳正神」は、農業、土地鎮守の神だそうです。
こちらには「三十六婆祖」が祀られています。
「三十六婆祖」は、体が弱い、よく泣くなど、赤ちゃんの悩みを解消する神様だそうです。
天井は、煌びやかな彫刻で敷き詰められています。
廟の中央には「臨水夫人」が祀られています。
1852年に、二媽の「林紗娘」と三媽の「李三娘」が加わり、「三奶夫人」として祀られているそうです。
精巧な彫刻が金色に輝いて、とても綺麗です。
奥の方に進むと、カラフルな二重塔のようなものがありました。
金紙を燃やす「金炉」です。
金紙は紙でできたお札で、お願い事を叶えてくれるお礼として、金紙を燃やしてお金をお届けするそうです。
奥にも龍の彫刻が立派な香炉がありました。
香炉の前には、龍に乗って飛んでいる観音様がいます。
そしてここにも、「臨水夫人」を中心とする「三奶夫人」が祀られています。
三奶夫人の左右には、「花公花婆」と「註生娘娘」が祀られています。
「花公花婆」は、閻魔王の花園で人々が産む子どもの元となる花のお世話をし、お世話した花がよく育つとこの世に生まれた子どもも健やかに成長するそうです。
「註生娘娘」は、子授けや安産の神様で、左手に出生簿を、右手に筆を持ち、女性の出産を管理しており、子宝祈願や安産祈願の女性がたくさんお参りに来るそうです。
日本の長崎で生まれた台湾の英雄を祀る「延平郡王祠」
「延平郡王祠」は、台湾をオランダの占領から開放した英雄「鄭成功」を祀る祠です。
鄭成功が38歳で亡くなった1662年に創建され、境内にある「台南民族文物館」には貴重な古代芸術品が収蔵されています。
鄭成功は、江戸時代初期、長崎の平戸にて中国福建省出身の貿易商の鄭芝龍と日本人の田川マツの間に生まれ、7歳まで日本で育ったそうです。
「臨水夫人媽廟」の向かいにある公園のようなところに来ました。
鄭成功を祀る「延平郡王祠」です。
鮮やかな朱塗りです。
社殿は、第二次世界大戦終了後、新しい建物に建て替えられたそうです。
柱の上の方は緑色で、龍の鱗のようなデザインです。
よく見ると、梁の部分に龍が描かれています。
中に入ると綺麗な回廊がありました。
天井絵に龍がたくさん描かれています。
社殿の正面に来ました。
柱の部分は朱塗りで、屋根は緑色の美しい色合いです。
正面の入り口の方から外に出ました。
門の上に「前無古人」と書かれています。
「前無古人」というのは、稀代の英雄という意味が込められているそうです。
「延平郡王祠」の牌楼の説明が書かれています。
二二八事件の際、国防部長であった白崇禧による「忠肝義胆」の扁額と国民党の党章は、政治的な意味合いが濃いということで、幾度か額を取り外すという話も出たが、歴史を鑑とし、同じ過ちを二度と繰り返さないようにという意味で今でも残されているそうです。
説明板にあった「忠肝義膽」と書かれた、鳥居のような牌楼があります。
「忠肝義膽」とは、「忠義を肝に銘ず」という意味だそうです。
「延平郡王祠」の沿革が書かれています。
政府によって建てられた鄭成功を祀る祠としては、台湾で唯一のものだそうです。
鄭成功の白い騎馬像もありました。
英雄然としたたくましい姿です。
おわりに
「臨水夫人媽廟」は、安産や子どもの成長などを祈願する女性の参拝客が多く訪れる、赤い提灯が浮かぶ美しい廟でした。
その前に建つ「延平郡王祠」は、オランダ支配から台湾を解放に導いた、台湾の英雄である鄭成功を祀る鮮やかな祠でした。
鄭成功は、日本の長崎で日本人の母から生まれており、とても親しみを感じることができました。
台南に訪れた際には、赤い提灯が舞う「臨水夫人媽廟」と台湾の英雄を祀る「延平郡王祠」にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
information
臨水夫人媽廟
- 住所
- 台湾台南市中西区建業街16号 (GoogleMap)
- アクセス
- 台湾鉄道「台南」駅よりタクシーで約5分、徒歩約20分
- 開放時間
- 6:00~20:00
- 公式HP
- http://www.a062130515.org.tw/
延平郡王祠
- 住所
- 台湾台南市開山路152号 (GoogleMap)
- アクセス
- 台湾鉄道「台南」駅よりタクシーで約5分、徒歩約20分
- 開放時間
- 8:00~17:30
- 公式HP
- https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003119&id=2118