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もみじ寺「安楽寺」の参道の石段を染める紅葉

「安楽寺」は、京都左京区鹿ヶ谷にある、法然上人の弟子、住蓮と安楽の二僧を供養するために創建されたお寺です。
通常非公開のお寺ですが、さくら・つつじ・さつき・紅葉の時期に合わせ一般公開され、7月25日の「中風まじない鹿ヶ谷カボチャ供養」は有名で、毎月25日には「京野菜朝市」が開催されています。
紅葉の時期は、石段が散り紅葉で真っ赤に染まり、深紅の絨毯を敷いたかのような山門を見る事ができ、20分ほど散策すれば、世界遺産である銀閣寺に行くこともできます。
今回はそんな「安楽寺」におでかけしてきました!

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「安楽寺」の茅葺屋根の山門に続く紅葉のトンネル

「安楽寺」は、永観堂と銀閣寺をつなぐ「哲学の道」から一筋東の山側に入った隠れ道の中ほどにひっそりと建つお寺です。
浄土宗の開祖・法然上人の弟子である住蓮と安楽が布教活動の拠点として、鹿ヶ谷草庵を建てて人々に念仏を布教していたのが起源と言われています。
後鳥羽上皇の官女の松虫姫と鈴虫姫が、法然上人の弟子、住蓮上人と安楽上人の教化を受け、密かに出家したため、立腹した上皇により両上人は死刑、法然上人も讃岐国に流され、今も境内には、住蓮、安楽の五輪石塔と松虫姫、鈴虫姫の小さな墓があり、「松虫鈴虫寺」とも呼ばれているそうです。

「錦林車庫前」バス停から東方面の「哲学の道」まで歩いていくと、近隣のマップがありました。

「哲学の道」を横断します。
ここから「安楽寺」まで徒歩3分のようです。

途中、立派な柑橘系の果実が実った木がありました。

隠れ道にひっそりと佇む「安楽寺」に着きました。

「安楽寺」の説明板があります。
室町時代の末、天文年間(1532〜1555年)に、住蓮上人と安楽上人の供養のため、この地に伽藍が再興されたのが「安楽寺」だそうです。
本堂には、阿弥陀五尊像を安置し、傍に住蓮・安楽両上人と松虫・鈴虫両姫の坐像や法然上人張小僧などを祀っているそうです。

「鹿ヶ谷 安楽寺」と書かれた石碑がありました。

こちらの石碑には「浄土礼讃根元地」と刻まれています。
開山両上人は、唐の善導大師(ぜんどうだいし)の「往生礼讃」に大原魚山(天台宗)の礼讃声明(らうさんしょうみょう)を転用して浄土礼讃を完成されたそうです。

石碑の反対側には、「住蓮山 安楽寺」と刻まれています。

「安楽寺」の入り口には、石段の山道があります。

石段を覆うもみじが紅色に色付いています。

石段の山道を途中まで上ってきました。
散り紅葉の紅い絨毯が綺麗です。

石段の上には、立派なもみじがトンネルのように覆っています。

石段を上がると趣のある茅葺屋根の山門があります。

山門をくぐると拝観料500円で境内に入れます。
春のさくら・つつじ・さつきの時期や、秋の紅葉の時期、夏の「鹿ヶ谷かぼちゃ供養」の日(7月25日)にのみ一般公開され、庭園をはじめ、本堂・書院を解放しているそうです。
境内では、本堂で30分おきに約10分間、寺の由来やお木像の説明を聞けたり、お寺の公開している日は「椛momiji」というフリースペースがおしゃれなカフェになり、お抹茶、コーヒー、紅茶、ゆず茶などを楽しめるそうです。

山門から石段を見下ろすと、紅いもみじがとても綺麗です。

2015年5月2日、再建された地蔵堂で開眼供養を受けられたお地蔵様に合わせて、150年ぶりに「地蔵縁日」を再開し、お地蔵様の誕生日にあたる毎月2日は安楽寺の「地蔵縁日」が行われているそうです。

毎年7月25日の9時から15時(入山)までは「中風まじない鹿ヶ谷カボチャ供養」が行われ、当日参拝された方に、煮炊きされた鹿ヶ谷カボチャを振る舞い、中風にならないよう祈願するそうです。
220年続く伝統行事で、本堂では「安楽寺縁起絵」「剃髪図」「九相図」などの宝物(掛け軸)十数点も虫干しを兼ねて公開され、門先では、鹿ヶ谷カボチャを栽培して納品している「かね正」さんが鹿ヶ谷カボチャをはじめ加茂ナス、万願寺トウガラシ、九条ネギ、柊野ササゲなど珍しい京野菜を販売しているそうです。

もみじのトンネルを眺めながらゆっくりと石段を下りてきました。

立派なもみじが真紅に染まっています。

東福寺に比べ参拝客も少なく、美しい紅葉をゆっくりと楽しむ事ができる穴場的なお寺です。

青空に紅いもみじが鮮やかに佇んでいました。

おわりに

「安楽寺」は、参道の石段を染める紅葉が美しいお寺でした。
哲学の道から一本東側の通称「隠れ道」という道に面してひっそりと佇み、京都の穴場的な紅葉スポットでした。
散り紅葉に覆われた参道の石段の先には、趣ある茅葺屋根の山門があり、紅葉で紅く染まる石段から眺める山門は絵のように美しく、古刹の紅葉を楽しむ事ができました。
悲しい歴史を持ち「松虫鈴虫寺」とも呼ばれる「安楽寺」ですが、もみじと石段と茅葺屋根の山門の組み合わせが美しい紅葉を眺めて、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

information

住蓮山 安楽寺

住所
京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町21番地 (GoogleMap)
アクセス
JR「京都」駅より市バス5号系統「岩倉操車場」行き「真如堂前」下車、徒歩約15分
京都市営地下鉄「丸太町」駅より市バス93号系統、204号系統「錦林車庫前」下車、徒歩約15分
地下鉄「蹴上」駅より徒歩約30分
拝観時間
9:30~16:30(春・秋特別公開日のみ拝観可)
拝観料金
500円(中学生以下無料)
公式HP
http://anrakuji-kyoto.com/
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