宝登山(ほどさん)は、埼玉県秩父郡の長瀞町と皆野町にまたがる標高497mの山で、長瀞八景の一つ「桜と梅と宝登の山」に指定されています。
長瀞岩畳は、秩父鉄道長瀞駅の近くにある荒川沿いの岩のことで、国指定の名勝・天然記念物に指定されています。
今回はそんな宝登山と長瀞岩畳におでかけしてきました!
行列の絶えないかき氷の名店「阿左美冷蔵」
まずは長瀞駅から歩いて阿左美冷蔵 金崎本店にかき氷を食べに行きました。
阿左美冷蔵は、明治23年に天然氷を卸販売する蔵元として創業し、ここ数年のかき氷ブームの先駆けでもあり、伝統製法による天然氷を使った昔ながらのふわふわかき氷が人気です。
秩父地方に数軒あったという天然氷の蔵元も、現在残っているのは阿左美冷蔵一軒で、全国でもわずか6軒が残るのみだそうです。
秩父鉄道に乗って長瀞駅に到着しました。
風情のある駅舎です。
長瀞駅から徒歩20分くらいで阿左美冷蔵 金崎本店に着きました。
9:30オープンなので、まだ20分くらい前ですが既に行列です。
阿左美冷蔵は長瀞駅近くに寶登山道店という支店がありますが、せっかくなので金崎本店の方に来てみました。
メニューが置いてありました。
秘伝みつ、和スペシャル、果汁スペシャル、ミルクスペシャルがあるようです。
店内への入口まで進んできました。
9:30前に順番に案内されていたので、少し早めにオープンしたようです。
20分程待って、案内されました。
小石が敷きつめられた中庭にはパラソルの付いたテラス席がたくさんあります。
屋内にある席に案内されました。
古民家をリノベーションした和モダンでおしゃれです。
秘伝みつ極みスペシャル(秘伝みつ+白あん+あずき+抹茶あん)にしました。
ふわふわの氷が山盛りで、高さ30cmくらいあります。
抹茶あん、白あん、あずきに秘伝みつもあり、色々な味を楽しめます。
お口直しの梅干しも付いていました。
こちらは、あさみのミルクスペシャル(苺みるく&メロンミルク)です。
練乳もたっぷり付いていて、美味しかったです。
屋内の入り口には犬のかわいい置物がありました。
出口へ向かう小道にはいろいろなオブジェがありました。
こちらは小さな河童と亀です。
もぐらです。
右側のは鬼のようです。
アリのようです。
金色のたぬきです。
昔ながらの茶屋のようで情緒のある建物です。
昭和9年築の日本家屋をリノベーションしているそうです。
阿佐美冷蔵オリジナルのかわいい手ぬぐいが並んでいます。
大きな足の上に猫のぬいぐるみが置いてあります。
冬場は足湯サービスもあるそうです。
長瀞駅周辺には阿佐美冷蔵の天然氷を仕入れているお店がいくつかあり、阿佐美冷蔵の暖簾を下げたかき氷屋さんでは天然氷を使ったかき氷を味わうことができるそうです。
庭にはお土産屋さんもあり、阿佐美冷蔵のオリジナルグッズ等を購入することもできます。
宝登山神社の壮麗な彫刻が施された本殿
阿左美冷蔵から歩いて宝登山山麓にある宝登山神社を目指します。
宝登山神社は、秩父郡長瀞町に1900年以上鎮座する由緒ある神社で、毎年100万人の参拝者が訪れ、秩父神社、三峯神社とともに秩父三社の一社となっています。
宝登山並木参道まで歩いてきました。
宝登山神社に着きました。
立派な鳥居をくぐって、手水舎で手・口をすすぎ清め、階段を登っていきます。
こちらが本殿です。
御祭神は神日本磐余彦命(かんやまといわれひこのみこと、神武天皇)、大山祇神(おおやまつみのかみ、山の神)、火産霊神(ほむすびのかみ、火の神)の3柱だそうです。
極彩色の素晴らしい龍の彫刻です。
大黒天像がありました。
右手には藤谷淵神社があります。
藤谷淵村(現在の長瀞町長瀞)の各所にあった8社の神社をこの地に遷座してお祀りしたそうです。
日本武尊社です。
宝登山神社は日本武尊が東征の際に神武天皇・山の神・火の神をお祀りしたのが起源と伝えられています。
尊の一行が山を登る途中で山火事に囲まれた時、多くの白犬・黒犬が現れて火を消して助けたことから、山犬たちを「神様のお使い」と考え、この山を「火止山」(ほどやま・ほどさん)と名付け、お祀りしたと言われているそうです。
本殿の奥に宝玉稲荷神社があります。
伏見稲荷社から倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を勧請し、祀ったお宮です
宝玉稲荷神社の前には赤い鳥居があります。
本殿の隣には御神木、絵馬、結び所があります。
お金だけでなく様々な御縁を頂けるという「御福銭」もあります。
大きな御神木です。
宝登山ハイキングで山頂へ
宝登山の山麓から山頂までは、ロープウェイを利用すると5分で行けますが、今回はハイキングコースを歩いて頂上を目指します。
宝登山神社から山頂まで2.6kmです。
宝登山の表参道ハイキングコース「関東ふれあいの道」を歩いていきます。
木漏れ日が気持ちいいです。
小さな一輪の花を見つけました。
道幅は車が走れる程広く整備されており、とても歩きやすいです。
開けたところに出ました。
秩父の街並みが見えます。
宝登山神社奥院へ続く約100段の階段です。
階段を上ると鳥居が見えました。
宝登山神社奥宮です。
奥宮の狛犬は、オオカミです。
八十八夜(5月2日)には、日本武尊の御御霊を乗せた神輿を迎える「奥宮祭」が行われるそうです。
奥宮を少し進むと山頂に到着しました。
宝登山神社からの50分くらいです。
標高は497.1mです。
見晴らしのいいところがありました。
宝登山から見える山の案内板がありました。
両神山、甲武信ヶ岳、破風山、蓑山、武甲山、秩父市街、荒川などが見えるそうです。
素晴らしい眺望が広がっています。
秩父の街並みや秩父連山、浅間連山が見えます。
山頂には勝梅園という淡い黄色の花を咲かせるロウバイで有名なスポットがあり、英名でWinter Sweet(ウィンタースウィート)と呼ばれるほどの濃厚な甘い香りに包まれるそうです。
木陰のベンチに座って昼食を食べました。
奥宮から少し下るとロープウェイの山頂駅があります。
記念撮影スポットもありました。
ロープウェイ山頂駅から徒歩10分のところには宝登山小動物公園があります。
ニホンザル、シカ、ウサギ、ヒツジ、ミニブタなど様々な小動物と触れ合うこともできるそうです。
ちょうどロープウェイが降りていくところです。
ロープウェイ山頂乗り場の周辺では3月になると170品種もの梅が満開になり、関東一品種の多い梅が見られることで有名です。
下りは長瀞駅遊歩道という道を降りていくことにしました。
草木が鬱蒼と茂っていましたが、すぐに上りの時と同じ広い道に合流しました。
宝登山神社まで戻ってきました。
池にはたくさんの亀が泳いでいました。
長瀞町郷土資料館と旧新井家住宅
宝登山神社から長瀞駅に向かう途中に旧新井家住宅に寄り道しました。
竹林の奥に旧新井家住宅が見えてきました。
新井家は江戸時代に名主をつとめた旧家と言われているそうです。
旧新井家住宅の石碑がありました。
国指定重要文化財に指定されているようです。
花の里の案内がありました。
郷土資料館の先にあり、春にはハナビシソウ、秋にはコスモスの花畑風景が見られるそうです。
旧新井家住宅・長瀞町郷土資料館の説明板がありました。
入館料を払って、中に入ります。
最初に長瀞町郷土資料館があり、長瀞町の歴史に触れることができます。
長瀞町を中心に蒐集した機織り機や石臼など、かつての生活を偲ばせる生活用具などの民俗資料が展示されています。
旧新井家住宅の模型がありました。
郷土資料館を出ると旧新井家住宅があります。
260年ほど前に建てられた養蚕農家だそうです。
この地方に散在した板葺農家の典型的なもので、長瀞町大字中野上からこの場所に移築されたそうです。
この住宅の大きな特徴は、屋根が板葺であるということだそうです。
下地となる竹の上に長方形の薄い栗板を重ね、その上に漬物石くらいの大きさの石を置いて板を押さえるそうです。
階段で2階も見学できるようです。
入り口には土間に接した囲炉裏があります。
日常生活が営まれたお座敷です。
養蚕の時期は蚕に占領されていたそうです。
裏庭を周って奥の方に来ました。
「出居(でえ)」という身分の高い人や親戚、知人を呼ぶ時に使う客間もありました。
旧新井家住宅の説明板がありました。
内部の屋根裏のモヤに取り付けた竹をアケビのつるで結んだのが見所だそうです。
気持ちの良い青空と旧新井家住宅です。
奥に厠として使われていた建物も見えます。
機織りの機械もありました。
かつて養蚕とならび機織りが代表的な産業だったそうです。
地殻変動や川の浸食によって造られた「長瀞岩畳」
秩父線長瀞駅付近では、荒川の西岸(左岸)に「岩畳」が広がり、その隣を岩を浸食した荒川が流れており、東岸(右岸)には「秩父赤壁」と呼ばれる岩壁などがそびえています。
この付近の荒川は、1924年(大正13年)に「長瀞」として国の名勝・天然記念物に指定されています。
長瀞駅から岩畳前の商店街を通り抜けると、岩畳へ下りる階段に到着しました。
荒川沿いに幅80m、長さ500mに渡って岩石が露出し、畳を一面に敷き詰めたように見えることから岩畳と呼ばれているそうです。
向こう岸に岩壁が見えました。
対岸には秩父赤壁と呼ばれる絶壁や明神の滝があります。
明神の滝は、埼玉県の中で唯一日本の滝百選に選ばれている滝だそうです。
青空・新緑の木々・荒川に岩畳が美しさを増しています。
長瀞ライン下りもたくさん見えました。
上流側コースが、親鼻橋付近から岩畳下の乗降点まで、下流側コースが、岩畳下の乗降点から高砂橋付近までで、両方を合わせたコースもあるそうです。
料金は大人1,600円くらいからです。
自然が作り出したとは思えない綺麗な岩畳です。
長瀞ライン下りのほか、カヌー・カヤック・ラフティングなどの川下りも行われています。
エメラルドグリーンの荒川に岩畳とライン下りの船が織り成す景観は癒されます。
隆起した結晶片岩が文字どおり岩畳となって広がっています。
岩畳と岩壁は大規模な地殻変動や川の浸食によるものだそうです。
おわりに
今回は、天然氷のかき氷から、宝登山ハイキング、旧新井家住宅、長瀞岩畳と長瀞周辺を満喫することができました。
宝登山ハイキングは、長瀞駅から表参道ハイキングコースで宝登山山頂まで登り、長瀞駅に戻ってくるコースで約8km、約2時間20分とハイキング初心者の方でも安心して楽しめます。
宝登山山麓には宝登山神社、緑の村、七草寺不動寺、長瀞通り抜けの桜など、他にも見所があるので、長瀞観光の際はチェックしてみてください。
information
阿左美冷蔵 金崎本店
- 住所
- 埼玉県秩父郡皆野町金崎27-1 (GoogleMap)
- アクセス
- 秩父鉄道「上長瀞」駅より徒歩3分
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 木曜日
- 公式HP
- http://asamireizou.blog.jp/
寶登山神社
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828 (GoogleMap)
- アクセス
- 秩父鉄道「長瀞」駅より徒歩10分
- 公式HP
- http://www.hodosan-jinja.or.jp/
寶登山神社 奥宮
- 住所
- 埼玉県秩父郡皆野町金崎1738 (GoogleMap)
- アクセス
- 宝登山神社より徒歩7分、宝登山ロープウェー山麓駅より宝登山ロープウェーで5分の山頂駅下車、徒歩6分
- 公式HP
- http://www.hodosan-jinja.or.jp/
長瀞町郷土資料館
- 住所
- 埼玉県長瀞町大字長瀞1164 (GoogleMap)
- アクセス
- 秩父鉄道「長瀞」駅より徒歩8分
- 開館時間
- 4月~9月:9:00〜17:00
10月~3月:9:00〜16:00 - 休館日
- 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合その翌日)
年末・年始:12/29~1/3 - 入館料
- 大人:200円
小人:100円 - 公式HP
- http://sbs.sakura.ne.jp/youkoutei/top/007syuuhen/006kyuaraike/araike.htm
長瀞岩畳
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞 (GoogleMap)
- アクセス
- 秩父鉄道「長瀞」駅より徒歩1分
- 公式HP
- https://www.nagatoro.gr.jp/spot/spotmeisho/