「蓮華寺」は、京都市の左京区に位置する寺院です。
本堂前に六角形の急勾配の笠をつけた「蓮華寺型石灯籠」があり、書院からは、石川丈山作とも言われる池泉回遊式庭園を眺めることができます。
紅葉の時期には、山門をくぐると見事な紅葉が広がり、庭園の池には鮮やかな紅葉が映り、心落ち着く時間を過ごせます。
今回はそんな「蓮華寺」におでかけしてきました!
叡山電鉄の八瀬比叡山口駅から「蓮華寺」へ
瑠璃光院を拝観した後に、八瀬比叡山口駅から歩いて「蓮華寺」へと向かいました。
高野川沿いが紅葉で秋の装いとなっています。
高野川は、淀川水系の一級河川だそうです。
澄んだ水がゆるやかに流れています。
山々の木々が色付いて、美しい景観です。
叡山電鉄の八瀬比叡山口駅です。
駅の前にクリスマスツリーがありました。
星の電飾もあり、暗くなるとイルミネーションが点灯するようです。
八瀬離宮と書かれた街灯がありました。
八瀬離宮は、会員制リゾートホテルだそうです。
もみじが赤や橙に色付いています。
大原街道を西に進んでいきます。
「崇道神社」がありました。
奈良末期〜平安初期の皇族・早良親王を祀る神社です。
早良親王は、光仁天皇・高野新笠の子で、桓武天皇の実弟であり、延暦四年に起こった藤原種継暗殺事件の首謀者として逮捕され、乙訓寺に幽閉された後、淡路に流される途中、無実を主張して絶食死したそうです。
その後、桓武天皇の近親者の死が続き、都に悪疫が流行したため、早良親王の祟りと噂され、その怨霊を鎮めるために延暦十九年には崇道天皇の追号を贈り、墓を現在の八島陵へ改葬したそうです。
ほかに、藤森神社・上御陵神社にも崇道天皇が祀られているが、崇道天皇のみを祭神としているのはこの崇道神社だけだそうです。
手前と奥にも鳥居が見えます。
目的地は「蓮華寺」なので、今回は立ち寄らずに先に進みます。
八瀬比叡山口駅から15分ほどで「蓮華寺」に到着しました。
石碑には、「天台宗 蓮華寺」と刻まれています。
「蓮華寺」の説明板もあります。
帰命山と称する天台宗の寺だそうです。
寛文年間(1661〜1673)に加賀前田家家臣・今枝重直が出家して、この地に一宅を構えて居住し、石川丈山や狩野探幽らと交流を深めながら晩年を過ごし、重直の徳を慕った孫の近義は、重直の菩提を弔うため、七条塩小路にあった寺をこの地に移し、延暦寺実蔵坊の松寺としたそうです。
本堂には、本尊の釈迦如来を安置し、美しい苔で覆われる境内には、六角形の笠を持つ珍しい形の蓮華寺型灯篭や、石川丈山の扁額と木下順庵の選文による垂直の碑があり、池に鶴石、亀島を配した庭園は石川丈山の作といわれ、江戸時代の名園の一つで、紅葉の名所でもあるそうです。
「蓮華寺」の書院から眺める美しい池泉回遊式庭園
「蓮華寺」は、江戸初期の寛文年間(1661-73)に加賀藩の家老・今枝近義が洛中から移し再興したそうです。
詩仙堂を造営した石川丈山作と言われる池泉回遊式庭園は、境内の仏殿と書院に面する形で作られ、中心の大きな池に中島があり、石組の護岸が施され、石造品が周囲に据えられています。
書院の北側にも小さな庭があり、岩盤が露出した山の崖に面して音を立てて小川が流れ、モミジやマツ、岩肌が険しい渓谷のような眺めを作っているそうです。
「蓮華寺」の山門がありました。
山門の横には綺麗な紅葉があります。
山門をくぐります。
山門をくぐると石畳の参道が庫裏へと延びています。
参道の右手にはもみじが紅く色付いています。
もみじの葉が綺麗な形です。
鳥居が紅いもみじで覆われています。
地面には散りもみじの絨毯ができています。
七つの葉の黄色いもみじが美しいです。
参道の左手には石像群があります。
たくさんの石像が並んでおり、約300体といわれるそうです。
石仏群はいずれも大日如来像で、中央には地蔵菩薩像が配されています。
石畳の参道を進んでいきます。
庫裏に入りました。
観世音菩薩、阿弥陀如来、勢至菩薩の像が祀られています。
書院に来ました。
風に吹かれて中に入って来たもみじが畳の上にたくさんあります。
書院から見える庭園にはたくさんの散りもみじが広がっています。
池泉回遊式庭園の奥には本堂もあります。
池の周りには綺麗な紅いもみじがあり、素晴らしい景観です。
水の字形にかたどられた水字形の池を中心に亀島(中島)・舟石・鶴石・蓬莱山の岩組・今枝重直の石碑などが配され、亀島には唐人帽丸形と言われる石灯籠が据えらています。
「蓮華寺」の池泉回遊式庭園を散策
書院からは、スリッパを履いて本堂へ行けるようになっており、書院の前に広がる池泉回遊式庭園を散策することができます。
木板の道を歩いて池の横を歩いて来ました。
池の奥に先ほどまで居た書院が見えます。
池の近くに配された石の中に、小さな仏像もあります。
池の前にある本堂に来ました。
本堂は黄檗禅様式で、入り口に掛けられた「蓮華寺」と書かれた寺額は、石川丈山筆によるものだそうです。
本堂の中に入ります。
天井には丸く龍が描かれています。
左側には阿弥陀如来尊像が安置されています。
本堂の前には立派なもみじが美しく色づいています。
六角形急勾配の笠をつけた蓮華寺型石灯籠がありました。
特徴的な石灯籠で、江戸時代の茶人たちに好まれたと伝えられているそうです。
お堂のようなものもあります。
石畳を進んでいきます。
入り口で見た鳥居がありました。
もみじに囲まれた鳥居がとても綺麗です。
本堂の方へ戻ります。
本堂からは、美しい庭園と書院が眺められます。
庭園の池に紅いもみじが反射して映り、情緒あふれる景観です。
石畳の参道を歩いて山門をくぐり、「蓮華寺」を後にしました。
おわりに
「蓮華寺」は、京都の上高野にあり、静かに紅葉を楽しむことができる穴場的な寺院でした。
山門をくぐった石畳の参道の紅葉が美しく、河原町通りから掘り出された300体ともいわれる石仏群が出迎えてくれます。
書院の東側から南側にかけて池泉回遊式庭園が広がり、紅く色づいたもみじが池に映り込み、開放感のある書院から眺める庭園は素晴らしい景観でした。
「蓮華寺」の静かな書院から華やかな紅葉と庭園美を眺めて、心落ち着く時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
information
帰命山 蓮華寺
- 住所
- 京都府京都市左京区上高野八幡町1 (GoogleMap)
- アクセス
- 叡山電鉄「三宅八幡」駅より徒歩約10分
JR「京都」駅より京都バスで「上橋」下車、徒歩約1分 - 拝観時間
- 9:00~17:00
- 拝観料金
- 大人:400円
中学生以下:無料 - 公式HP
- https://kanko.city.kyoto.lg.jp/detail.php?InforKindCode=1&ManageCode=1000242